機動戦艦ナデシコ ~ The blank of 3 years~

1998

『機動戦艦ナデシコ ~ The blank of 3 years~』は、1998年にセガサターン用として、セガから発売されました。

98年の夏に公開された劇場版とTVとをつなぐ作品になります。

<概要>

機動戦艦ナデシコは、当時は知らない人がいないくらい有名なアニメだったけれど、最近は知らない人も出てきているのかな。
その辺はどうなんでしょうね。
凄く面白いアニメなので、見たことがない人には、まずアニメ版の視聴をすすめます。

TVアニメは96年の秋から2クール放送され、98年の夏に劇場版が公開されています。
本作は98年の9月発売なので、劇場版公開から間もなくして発売された作品でした。
なお、劇場版はTV本編の3年後の話であり、本作はサブタイトルにあるように、TV本編から劇場版までの間の空白の3年間を扱った作品になります。

余談ですが、劇場版は凄く鬱になりましたよね。
確かに良い映画だったとは思うし、特に主題歌の『Dearest』は名曲だと思うのですが、何でそうなっちゃったのかなと結末を思い出す度に鬱になってしまいます。
なまじ曲が良くて今でも聞いているだけに、その度に悲しい気持ちになってしまうのです。
私は劇場版を見たのも、ゲームをやったのも、少し遅れてからでした。
もし仮に8月の時点で劇場版を見ていたら、9月の発売日に本作を買うということはできなかったでしょう。
本作がセールス的にどうだったのか知らないけれど、劇場版という、ある意味逆風の中での発売だったことや、サターンだけの発売ということ、更にこれまでのナデシコ関連ゲームの出来が芳しくなかったこともあり、本作はその出来の良さとは反対に、どうしても影が薄くならざるをえなかったような印象でしたね。

<感想>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
本作はオリジナルキャストによるフルボイスであり、まだノベルゲーでも音声が当り前でないない時代だっただけに、この豪華声優陣の存在はそれだけで長所と言えるのでしょう。

ナデシコには多くの女性が登場しますし、そのほとんどが攻略対象です。
マルチシナリオで多様に分岐するものの、大まかには以下の4つのシナリオが用意されています。
シナリオ1:うずもれた「恋のあかし」
シナリオ2:虚空の「遺産」
シナリオ3:「思いで」は刻のかなたに
シナリオ4:キミが目指す「遠い星」

TV本編が謎を残した形で終わったこともあり、その補完を兼ねた正史に近いシナリオもあれば、ナデシコらしいハチャメチャなシナリオもあります。
全然毛色の異なる様々なシナリオが含まれているにもかかわらず、それでもナデシコらしいなと感じさせてしまうわけでして。
ナデシコ本編の持つ許容量の大きさが凄かったのか、好き放題やっているようでも、きちんと原作に準拠させた製作陣が凄いのか、それとも両方なのか。
厳密に区別することはできないし、また区別する必要もないのでしょう。
いずれにしろ原作の持つ良さを、ノベルゲーという枠組みの中で上手く表現できていました。
これなら、ほとんどのファンが不満を抱かずに楽しくプレイできるでしょうね。

<評価>

というわけで、ファンなら間違いなく買いの本作。
ファン向けの作品としては、非常によくできていたと思います。
総合でも良作といえるでしょう。

しかし、サッカーSLGにしたキャプテン翼のような作品ならまだしも、こういう作品だとアニメで普通に見たかったと思ってしまいますね。
ゲームとしては面白かったのだけれど、アニメの2期を作るだけのネタが十分にあったにもかかわらず、それをゲームで消費してしまったことは、良かったことなのかどうか少し悩んでしまいます。
個人的には、せっかくここまで作れるのであれば、普通にアニメで見たかったように思ってしまいますね。

ランク:B(良作)


機動戦艦ナデシコ ~ The blank of 3 years~
機動戦艦ナデシコ ザ・ブランク・オブ・3イヤーズ

Last Updated on 2024-12-30 by katan

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