貸し出し妻、満里奈の“ネトラセ”報告 敏感妻と絶倫大学生

2013

『貸し出し妻、満里奈の“ネトラセ”報告 敏感妻と絶倫大学生』は、2013年にWIN用として、Team.NTR(アトリエさくらから発売されました。

隠れ寝取らせゲーは増えつつあるものの、正面から扱った作品は案外珍しいかもしれませんね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢の数は極めて少なく、選択肢でセーブをしておけば、攻略は容易でしよう。

商品紹介は以下の通り。
‘浮気告白’シチュエーションの第3弾!
‘寝取られ’ではない、‘寝取らせ’シチュエーション!
夫婦双方合意の浮気プレイにより、和姦寝取られシチュエーション好きには垂涎もののストーリー展開に!

‘ネトラセ’の魅力に憑りつかれていく登場人物たち!
愛する妻のカラダが、大学生と馴染んで行くのを知りつつも止められない夫。
夫を愛していながらも、大学生とのセックスにのめり込んでいく妻。
‘夫公認’でしか描けない貸し出しプレイの濃密な魅力を、余すところなく描いていきます!

<感想>

本作の原画はジェントル佐々木さんで、個人的に好きな原画家ということで、これまでにも何作もプレイしています。

今作の人妻はプロポーションが抜群で、とても魅力的な体つきをしています。
私なんかはパッケージの絵の段階で惹かれてしまいましたが、もちろん一概に断言はできないものの、これまでに手掛けた作品の中でも、単純に絵という観点からは最も好きな作品かもしれませんね。
とってもエロくて良かったです。
絵の好みは人それぞれで難しいものの、絵柄に興味を抱いた人ならば、それだけで満足できる確率は高くなると思います。

商品紹介にありますが、今作は「寝取らせ」に焦点を当てた作品です。
ゲーム自体、寝取らせの説明から入りますからね。
「寝取られ」ではなく「寝取らせ」なのだと、だから「寝取られ」の基準で考えるべきではないということを、まずはその点をしっかり理解しとくべきなのでしょう・・・一応。
「一応」というのは、後で理由を説明します。

というわけで本作は寝取らせゲーであり、寝取られゲーではありません。
これまでの寝取らせゲーがいまいち浸透しなかった理由の一つに、寝取られゲーの皮を被った作品が多かったことも挙げられるでしょう。
寝取られゲーと言いつつも、実際にプレイしてみたら寝取らせだったみたいな。
だから人によっては出来の悪い寝取られゲーに感じてしまう場合もあり、寝取らせとしての面白さをきちんと理解してもらいにくかったのだと思います。
その点、本作はタイトルや冒頭の説明で正面から寝取らせと示していますので、さすがにこれをプレイして寝取られゲーだと言い出す人はないでしょう。
正面から寝取らせを謳った作品は意外と少ないだけに、それだけでも一定の意味はあるのかもしれません。

ただ、商品紹介や作中で寝取らせと言いつつも、公式ジャンルはNTRアドベンチャーになっているわけでして。
ライターと広報の意思疎通が図れていないのか、それとも寝取られ好きも取り込もうと欲を出したのか。
その辺はよく分らないし、本来は些末な言葉遣いの違いなど関係ないはずですが、この言葉のズレが実は作品を象徴してしまったのかなと。
それが、上で「一応」と書いた理由にもつながっていくのですけどね。

本作にメインで登場するのは、主人公と妻と間男の三人だけです。
この三人は三人とも良い人というか、あっさりしているというか、とにかくそんな軽い性分ですので、このようなジャンルに特有のドロドロした感じがありません。
エロシーンは濃くともストーリー自体はライトな感じで進みますので、きつい「寝取られ」が苦手な人でも楽しめてしまうのです。
普通は寝取らせはニッチでマニアックなため、どうしても上級者向けの内容になってしまうのですけどね。
寝取られですら良さが分らない人には、好きな人を他人に抱かせる寝取らせなど、もはや理解不能となりかねませんし。
しかし本作は、上記のようにライトな構造ですので、案外寝取られのライトユーザーの方が楽しめるように思います。
したがって、入門作のような視点で語るならば、本作は結構良かったのでしょう。

他方で、肝心の寝取らせとしての出来なのですが、基本部分はしっかり押さえていると思います。
主人公も妻を愛しているし、妻も主人公を愛している。
他人に抱かせることで、もしかしたらと葛藤をしつつも、それにより更に愛情は深まっていくと。
寝取られゲーにはない、寝取らせゲーならではの魅力でもありますよね。
寝取らせゲーにも幾つか方向性があって、その1つが雨降ってというか、こういう更に愛情が深まるパターンであり、ある意味大人の偏った純愛とも言えますからね。
本作のようなサバサバしたヒロインと組み合わせることで、寝取られとかが苦手なユーザーも引き込みやすくなったのかも。
つまり一概に寝取らせはマニアックで人を選ぶというものではなく、寝取らせでも本作のようなタイプは、むしろ一般的な寝取られゲーよりも、純愛ゲー好きに対応しやすいのでしょう。

そのため、幅広い層に実は対応する作品かなと思ったのですが、そうなると問題はハードな濃い内容を求める層にどうなのかということです。
上記のようなキャラの持つ軽さに加え、ENDなどもあっさりしていることから、寝取らせのテンプレ的・基本的要素は踏まえつつも、それ以上の独自の部分を感じることはできなかったです。
子供も登場するのにゲーム内に活かしていないとか、エロのバリエーション自体は限られている上に普通であるとか、冷静に見ると、もっと伸ばせそうなポイントは幾つも出てきます。
だから深いこだわりを持つ人ほど、不満が出てきてしまうのではないでしょうか。
全体的に無難に置きにいったようでもあり、そのためか個人的には物足りなさの方が強かったです。

<ゲームデザイン>

上記のようにジャンルはノベル系のADVですが、本編自体は短いです。
おんぼろ月さんの他作品にも多く見ることができるように、本作でもシナリオの半分は回想シーンで回収されます。

つまり、本編は主人公視点で語られ、主人公の妄想が中心になります。
回想シーンでは妻視点で語られ、真実の姿が見られるというわけですね。
まぁ、実質的には回想シーンで語られることこそがメインでしょう。
特に本編は主人公の妄想が中心ですから、Hシーンを見るという観点からは回想シーンを見ないと何の意味もありません。

かかる構造に今更とやかく言うのも野暮かもしれないですが、何度も用いられると、これはこれでマンネリになってきたのかなと。
スローボールはたまに投げるから効果があるのであり、スローボールしか投げないと、ただの球の遅い投手でしかありません。
回想シーンでのイベント回収ばかりやらされると、きちんとした1本のストーリーを書けないだけと思われかねないです。
異なるルートという扱いでも構わないから、もう少しゲーム内に全てを融合させることはできなかったのでしょうか。
それができないのであれば、セリフ付CG集と変わらないですから、個人的には今後は改善してほしいのですけれどね。

ぶっちゃけ、またこのパターンかよと、このいつも通りのゲーム構造に、あっさりめの寝取らせというストーリーが加わることで、ジャンルとしては攻めたはずだったのに、プレイした感触としては無難に守りにいったなとの印象になってしまいました。
もう少し刺激があることを予想しただけに、ちょっと残念でしたね。

<総合>

どこを重視してみるかでも印象が変わりうると思います。
エロさは結構ありますし、絵は良いですから、ライト寝取らせないしライト寝取られという感覚でならば、結構楽しめる作品なのでしょう。
寝取らせ及び寝取られの入門作としても良いと思います。
特に純愛ゲーが好きで、愛という観点をベースにしてきたユーザーならば、そこから視野を広げる場合のとっかかりとしては良い作品でしょう。
また、このブランドの作品を未経験であれば、私のようにマンネリ感を感じることもないでしょうし。

他方でその軽さゆえに、ディープな寝取らせファンの場合だと、あまり満足できないように思います。
個人的には、寝取らせを中心に据えたゲームのはずなのに、肝心の寝取らせで特に得るものがなかったことが物足りなさにつながり、残念な印象の方が強まってしまいました。

これは寝取らせゲーであり寝取られゲーではないのだから、寝取らせゲーのファンが買うべき・・・と本来はなるはず。
しかし確かに寝取らせを描いているものの、寝取らせ好きよりもライトNTR向けという風に感じてしまい、何だかあべこべになってしまいました。
ちょっと分かりにくかったら申し訳ないです。
ストーリーには不満が残ったものの、絵が良かったので総合では佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)

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Last Updated on 2024-11-04 by katan

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