メル・メル メルティー・メルヘン

1996

『メル・メル メルティー・メルヘン』は1996年にPC98用として、クイーンソフトから発売されました。

エロいお伽話に注目していたはずなのに、終わってみればメルメル語の印象ばかりが強く残るという不思議な作品でした。

<概要>

本作はお伽話をモチーフにしています。
扱われた題材は「赤ずきんちゃん」「マッチ売りの少女」「白雪姫」「アリスのお茶会」「お菓子の家」「人魚姫」になります。

好きなエピソードを選んで進めるのですが、ストーリーは赤ずきんちゃんなら狼に襲われて犯られてしまうなど、ほとんどHシーンがあるだけです。

個々のエピソードは短いですし、ストーリーらしきストーリーもないですし、
あまり内容に期待しては駄目なのかなと。

ただ、ですます調で書かれたテキストはゲームとしては独特な上に、説明のしにくい妙なエロさも備えていました。
そのため絵が大丈夫な人ならば、結構実用に使えたかもしれませんね。

<感想>

たぶん本作を買った人は、プレイ前は「お伽話でエロ」というところに期待したはず。
しかしながら、そのストーリー部分に関しては上記の通りであり、ハッキリ言って物足りないものでもありました。
しかし、その代わりに強烈な印象を植え付けたのが、いわゆるメルメル語でした。

本作は基本的にはノベル系ADVになります。
クリックするだけで読み進めていくのですが、各エピソードごとに途中で3回、メルティからのメッセージを解読することになります。

これは、言うなれば手話のアレンジになります。
「メルティからのメッセージの説明」を見れば50音の全部が載っているので、メルメル語を解読して言葉を打ち込むことになります。

この解読が難しかったですね~
仕方ないので、必死にメルメル語を覚えましたよ。
この解読が面白いかはさておき、「メルティからのメッセージの説明」では50音全てをプチアニメで紹介するので、それを見るのが楽しかったり、とりあえず無駄に変な所に気合の入った作品でした。

一応メルティからのメッセージには、通して見ると意味があります。
攻略も兼ねて載せておきます。

・赤ずきんちゃん
ゆめ
めるへん
そんなものいらない

・マッチ売りの少女
なぜこんなことになつたのか
こどものためにつくられたしゆじんこうたち
げんじつとはなれすぎたからしゆじんこうのはんらんか

・白雪姫
こどもたちがおとぎのくにおしんじなくなつた
しゆじんこうたちのかなしみが
おとぎのくにおみだらなくににしたのか

・アリスのお茶会
おとなになればどうようなんていらないの
みだらなどうようはせかいおかえる
なぜみんなおとなになるの

・お菓子の家
こどもはものおほしがる
しようねんはあいおほしがる
おとなはせかいおほしがる

人魚姫
 このけがれなきおとぎのくにがなぜこのようになつてしまつたのか
 おとなのよくぼうがはなしおくるわせる
 ういるすはおとなのこころなの

原画は劇画風というのか、リアルな感じでした。
可愛いとか綺麗とは思わないものの、この絵柄とテキストが相まって、とりあえず他にはない雰囲気を醸し出していたことだけは間違いないでしょう。

<評価>

本作は、2003年にぱんだはうすからリメイク版が発売されています。
可愛らしい萌え絵に変更されているので、一般的にはリメイク版の絵の方が好まれるのでしょう。
もっとも、個人的には不気味さも本作の味だと思っていますので、リメイク版よりもオリジナルの方が好きです。

それと、私はリメイク版をプレイしていないのですが、ちょっと調べたら、どうやらシステムも変更されている様子ですね。
メルメル語の解読がなくなって、単なるジェスチャーゲームになったとか。
音声の活かし方などで、リメイク版にはリメイク版の良さはあるようですけどね。
でもオリジナルのメルメルの魅力は、ほぼメルメル語に集約されていますので、メルメル語が無くなってしまえば別物と考えた方が良いかと思います。

<評価>

このゲームが凄く面白いかと聞かれたら、たぶんほとんどの人がノーと答えると思います。
でも、このゲームが印象深かったかと聞かれたら、ほとんどの人がイエスと答えると思います。
名作ではないけれど、記憶にだけは残るゲームでした。

ランク:C(佳作)


メル・メル

Last Updated on 2024-11-20 by katan

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