『イハナシの魔女』は2022年にPC用として、Fragariaから発売されました。
沖縄を舞台にした、ボーイミーツガールな物語であり、『カガミハラ/ジャスティス』の作者の作品ということで注目した作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・幼い頃に両親を亡くした「西銘光」は、高校一年生の春、育ての親である叔母から祖父の家で暮らすよう言い渡される。
1人フェリーに乗って向かったのは人口1000人にも満たない沖縄の離島「渡夜時島」。
不安を胸に祖父の家を訪ねるも、祖父は海外へ移住してしまっていた。
事情を尋ねるべく叔母に連絡を取るが音信不通。
転校先の高校にも西銘光という生徒は在籍していないと告げられる。
光は叔母一家に捨てられたのだ。
途方に暮れた彼は夜のサトウキビ畑をさまよう。
そこで不思議な衣装に身を包んだ少女「リルゥ」に出会った。
自活力皆無の元高校一年生の光。
日本の常識をまるで介さないリルゥ。
2人は協力し合って小さな島で暮らしていく。
しかし、リルゥには渡夜時島へとやって来た目的があり……。
<感想>
同人ゲーを好んでプレイしている人だと、『カガミハラ/ジャスティス』の名前も知っていると思います。
本作は、その作者の新作ということで注目した作品でした。
私がプレイしたのはSteam版になります。
Steamは、わりと適当なところがあり、日本のADVは何でもかんでもビジュアルノベルとしがちですが、本作はビジュアルノベルではありません。
画面下部にテキスト欄が表示される、オーソドックスなタイプのノベルADVになります。
設定からして、ひと昔前のノベルゲーにありそうな設定ですが、その辺は好みの問題でもあるのでしょう。
逆に、ひと昔前のノベルゲー好きなら、好きそうな内容かなと思います。
私のお気に入りは赤摘明ですね。
どのキャラも個性的で、読んでいて十分楽しめる内容といえるでしょう。
ただ、UIが貧弱すぎます。
今のエロゲはノベルゲーばかりで、紙芝居だのなんだのと揶揄されることもあるように、ゲーム性はむしろどんどんなくなっていく方向にあります。
もっとも、その代わりと言いますか、ゲーム性をなくすかわりにUIを進化させ、
少しでも読みやすくなるように進化してきたのが、今のエロゲと言えるのでしょう。
だからSteamのノベルゲーしかプレイしていないと気にならないかもですが、今のエロゲに慣れていると、本作が不便に感じてくるのです。
本作をプレイしていて思ったのは、日本のエロゲも進化していたんだなということだったんですよね。
ストーリーもひと昔前のノベルゲーっぽい本作ですが、UIもひと昔前のノベルゲー程度ということで、プレイしていて、どうしても古臭い作品のように感じてしまい、個人的にはその点が大きなマイナスポイントとなってしまいました。
<評価>
単純な内容だけであれば、佳作相当のノベルゲーと同等だと思います。
つまり今のエロゲの標準的な作品のシステム周りが本作にあれば、佳作と判断していたように思います。
しかし、何年も前のノベルゲー程度のものしかないことから、そしてそれがストーリー等と相まって、どうしても古臭く感じてしまったことから、総合では凡作とします。
まぁ、匙加減の難しいところではありますけどね。
ひと昔前の作風っぽいのがここの特徴であり、過去作ではそれが良い方向に作用していたのですが、本作では悪い方向に傾いてしまったというところでしょうか。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-04-21 by katan