漂流

1996

『漂流』は1996年にPC98用として、イリュージョンから発売されました。

98版とWIN版とで仕様の異なる、ある意味この当時らしい作品でした。

<はじめに>

本作はPC98版だけでなく、WIN版も出ているのですが、この時期特有のイリュージョン作品の特徴があります。
何かと言うと、98版は静止画に声なしのテキスト進行なのですが、WIN版は動画にテキストなしの音声進行となります。

私は98版でのプレイになりますし、やりやすさと言う面でも98版の方が上なのでしょう。
しかし、音声や動画の当時におけるインパクトを考えると、本作に限ってはWIN版の方が楽しめたのではないかと思います。

<感想>

さて、本作の舞台は近未来で、内容はサバイバルとなるのですが、微妙にわけが分からんのがイリュージョンなわけでして。
主人公ら5人はある日、庭でキャンプ中に80年前にタイムスリップします。

タイムスリップした先は内戦中なのですが、80年前でもまだ現在と比べると近未来なわけで、つまりは架空の内戦なわけですね。
そして、主人公らの目的は無事に皆で元の世界に戻ることになります。

ゲームは2択で進行するのですが、選択を間違えるといきなり死にます。
これ、誰も死なせないでいきなり戻れた人は、おそらく皆無なのではないでしょうか。
かまいたちをノーミスだとか言われても微塵も凄いとは思いませんが、これをノーミスなら素直に凄いと言いたくなります。

本作について、まずは肯定的な意見を書きますと、内戦という舞台の中、常に死との隣りあわせで緊張したプレイを楽しむことができます。
この点に関しては良かったと思います。

逆に否定的な意見を書きますと、あまりに理不尽すぎます。
最初の選択が最後の最後でバッドにつながっていたりしますし、とにかく死にまくりますからね。
しかもストーリー的なフォローもなく、ただひたすら生き延びて、正解の選択肢を選び続けていたら何か戻ってきたってな感じです。

今のイリュージョンも珍妙なゲームを出すことが多々ありますが、当時はその傾向が更に強かったわけでして。
これなんかもその内の1つといったところでしょうか。
世間一般で言えば、なにこのク○ゲって言われることが多いと思います。

ってか、前にも書いたけど、そもそも本作のライター、凄く化けたよな~
『巨乳ファンタジー』の方なんですよね。
本作を含め、最初の頃は駄目だったのに、その後どんどん成長して、後にとても良いものを書けるようになったという、貴重かつ代表的な人かもしれません。

<評価>

そういうわけで非常に難も多いものの、緊張感を持ったプレイは楽しめましたので、総合では凡作ってところでしょうか。

ちょっと練り込めば格段に化けただろうにと思うと、勿体無い感じもした作品でしたね。

ランク:D(凡作)


Win95 CDソフト 漂流

Last Updated on 2024-11-13 by katan

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