放課後は別の顔

1995

『放課後は別の顔』は1995年にPC98用として、UCOMから発売されました。

女子高生の実態に迫るというテーマの、オムニバス形式の作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
選択肢もないので、シナリオ選択後はクリックで読み進めるだけですね。

一応書籍とかではオムニバス形式の作品として紹介されており、確かに本作に収録されている4つの物語それぞれには繋がりもないのですが、一般的なオムニバス作品と異なり順番に読むことになります。
そのため、実質的には、章仕立ての一本道のノベルゲーと考えて良いでしょう。

<感想>

さて、女子高生の実態に迫るという内容の本作。
実態というか、女子高生の放課後の裏の顔みたいなものですか。
4つの物語は、以下の通り。
第一話「通学電車」 
第二話「先輩・・・・・・」
第三話「進路指導」
第四話「非行少女」

属性としては順に、
第一話「通学電車」・・・痴漢
第二話「先輩・・・・・・」・・・レズ
第三話「進路指導」・・・陵辱
第四話「非行少女」・・・輪姦ってところでしょうか。
属性で考えるならば、二話のレズものの印象が強く、レズないし百合ゲーが好きな人向けと言えるでしょう。

もっとも、本作において一番印象深かったのは、いつも主人公の傍にいる娘の、その下衆な表情なんですよね。
例えば、個人的にはシナリオの中で一話が最も好きなんだけれど、一話の内容は、主人公が痴漢にあうことで、痴漢に目覚めてしまうという内容になります。
他と異なるのは、主人公が痴漢にあうきっかけとなる別の女の子が傍にいて、その子が実はグルだったりするのです。
その嵌めた女の子が主人公に墜ちるように促すときの、その下卑た表情が最高なのですよ。
何かこの表情を見ていて、ゾクゾクってきてしまいましたし。

二話だと、先輩が後輩をレズの道に誘い込むことになりますし、四話だと、不良ぶった主人公を親友を装って陥れるわけでして。
その時のざまぁって感じの顔が、何とも女性の厭らしさを物語っているように感じるのです。

女性の秘められた本音という名の下に、エロエロな様子が描かれる作品は過去にもありましたが、本作の様なこういう作品は他になかったことから、非常にインパクトがありましたね。

加えて、本作は進行役としてのストーリーテラーを立て、各話の始まりに語りつつ、物語内にも登場します。
この手法もADVでは珍しいことから、作品の印象を強めることに貢献していました。

ちなみに、グラフィックは目パチと口パクもありまして、その点も良かったですね。

<評価>

ストーリーテラーに誘われ、女性の秘められた裏の性癖と厭らしさを垣間見るということで、稀有な魅力を持った作品でしたね。
小粒な作品ということもあり、総合では良作としておきますが、主観的にはお気に入りの作品でもあります。

発売当時の95年は、本作のような純粋にクリックで読むだけのノベルゲーは、ゲームジャンル自体、あまりうけが良くなかったでしょう。
どちらかというと、難度の高い作品の方が好まれていましたから。
だから読むことが中心のノベルゲーは、総じてマイナーな作品が多かったですし、それでノベルゲーがなかったと勘違いしている人もいるのでしょう。
96年になって、WINDOWSの時代を迎えるようになって、SFC辺りでノベルゲーにはまった層がWIN95ブームでPCデビューすることで、ようやくノベルゲーに注目する人が増え始めた感じですからね。
しかも、その注目する人というのも、大半がオタク層で萌えを重視していたので、本作は96年に一応WIN版も出てはいるものの、萌えや恋愛とは対極的な内容の作品ですから、どうしても埋もれやすい作品だったと思います。
そのため、マイナーになるべくしてなった作品のように思いますが、逆にそれだけ異質で稀な作品とも言えるのでしょう。

まぁユーザーは自分の気になる作品を買えば良いので、萌えを求める人に本作をプレイして欲しいと言う気は全くありません。
しかしコラムとか書籍で金取るような人は、葉鍵だけでなく、こういうのも少しは扱えよな、マジで・・・とか、個人的には思ってしまいますけどね。

アニメでも下衆ヒロインとか鬼畜ヒロインとかって、結構人気の出るケースもありますし、本作が万人受けしないのは承知しているものの、中にはこういうのがツボって人もいると思いますからね。
それだけに、ただ埋もれるのは残念だよなって思ってしまいます。

ランク:B(良作)


 放課後は別の顔

Last Updated on 2024-11-01 by katan

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