『GREEN ~秋空のスクリーン~』は1999年にWIN用として、jellyfishから発売されました。
<概要>
ゲームジャンルはインタラクティブムービーになります。
あらすじ・・・
自分を含め3名しか部員がいない弱小映画部に所属する主人公・小野真治は、「全国学生映画コンテスト」への出場を目指す。
そのためには、ライバルであるシネマ研究会の映画よりも優れた作品を、学院祭までに作らなければならないのだが、主演女優さえ決まらないという有様。
学院祭まであと1か月というギリギリの状況で、真治はヒロインのイメージにピッタリの水野真琴に出会い……。
<感想>
ジェリーフィッシュとしてはデビュー作でしたが、海月製作所が分裂して作られた新ブランドであり、海月製作所の作品が好きだった私的には期待していた作品でもありました。
海月製作所と言えば個人的には『ルーキーズ』となるのですが、世間一般では『ラブエスカレーター』の印象の方が強いのかもしれません。
ラブエスの特徴はPC98屈指のアニメーションの出来にあったのですが、本作もラブエスの方向性を強く受け継いでおり、アニメーションがふんだんに用いられた作品となっています。
ストーリーは映画コンテストを目指す弱小映画部が舞台となり、映画作りを題材にした学園恋愛成長モノとなっています。
内容自体はごく普通の面白さだったのかもしれませんが、当時はまだこういう系統はあまりなかったし、わりと楽しめた感じですね。
単なる学園を舞台にした青春モノでなく、映画作りという要素とアニメーションの要素が加わることで、新鮮さにつながったのでしょう。
アニメーションに関しては、前年にPSでやるドラとかが出ちゃっています。
それと比べると物足りなさは拭えませんし、あまり本作の良さが見えてこないようでもありますが、如何せん家庭用ゲーム機にはエロシーンはないですからね。
アニメーションでグリグリ動くエロシーンがあるゲームってのは、それはそれで1つの特徴になっているかと思います。
そして、そのアニメーション部分に関してはPSのやるドラには劣るとしても、当時のアダルトゲーム内では間違いなく最高峰でした。
そもそもPC98時代には、ソニアのようなアニメにこだわるブランドがあったものです。
しかし、この路線はWIN時代になってから減りました。
技術的にも厳しい部分があったのかもしれませんが、業界の流れ的にもアニメなどで動きをつけるより、1枚の絵に命を懸けるって感じでしたから。
そのため、他に対抗馬がいなくなったということもありますが、発売時にはってだけでなく発売後も数年の間は、アニメ部分に関しては本作が最高のままだったと思います。
その明確な特徴がある限り、十分名作と判断して良いかと思いますね。
さすがに本作の発売から10年以上が経ち、では本作以上の物も幾つもあります。
絵がウリのゲームは、発売から時間が経つと良さが分かりにくくなります。
でもアニメーションを用いた作品として長く最高峰の地位に輝いていた作品ですし、動きにこだわる人には史料価値も高い作品です。
だからそういう人には、ぜひともやってもらいたい一本なんですよね。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2025-01-16 by katan
コメント
『GREEN ~秋空のスクリーン~』は私にとって思い出深い一作です。
発売当時、私は高校2年生だっため、この作品を知ったのはパソコンパラダイスを読んだことがきっかけでした。
アダルトゲームを買える年齢ではなかったので、1999年頃から美少女ゲーム雑誌を見ることで耐え忍んでいました。
大学生になると同時に大須のパソコンショップに行き、おそらく最初に買ったアダルトゲームの内に含まれていた記憶があります。
この時は、名古屋の大須もPCゲームを扱う店舗が一杯あり、ただ商品を眺めているだけで楽しかったです。
アダルトゲームの情報源は主に雑誌だけだったので、絵買いした作品でしたが非常に良質な作品でした。
エロアニメのシーンは、結構アングルもこだわっていて、何回も見た記憶があります。
ストーリーも王道かもしれないですけど、私自身、こういった題材の作品は触れてきていなかったので、楽しめました。
あと、何と言ってもお気に入りキャラができたことが大きかったです。
美術部の教育実習生の高橋加奈子は、今でも私の中で、アダルトゲーム史上、五指に入るレベルで忘れられない存在です。
確定情報ではないのですが、加奈子先生の声優さんは中井淳子さんで、おそらくAV女優の中井さんだと思われます。
演技が自然で、声優さん、本業の方と間違えてしまう程、良かったんですよね。
>メガドラさん
思い出の1本だったんですね。
90年代後半の名古屋のアダルトゲーム店事情というのは、なかなか情報がないと思うので、興味深いですね。