ごめんねエンジェル 横浜物語』は1992年にPC98用として、ジャストから発売されました。
事実上の『天使たちの午後スペシャル』1作目であり、シリーズの外伝となる作品でした。
<概要>
ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
ある日、主人公が拾った生徒手帳の中を見てみると、その持ち主は美少女であり、しかも主人公の婚約者が教師をしている、聖フランシスコ女学院の生徒であることが判明。
そこで婚約者とのデートの日に直接本人に渡そうとしたところ、婚約者がその子を連れてきた。
そして、その子が言うには、姉が失踪して困っているとのこと。
そこで主人公が姉を探すことになる・・・
というのが、大まかなあらすじになります。
<天使たちの午後スペシャル>
本作は、タイトルとか、その存在自体が歴史を物語っており、その意味で貴重な作品なのかもしれません。
80年代のアダルトゲームで最も有名な作品となると、やっぱり、天使たちの午後シリーズなのでしょう。
その天使たちの午後シリーズの外伝として、1993年に発売された『天使たちの午後 SpecialⅡ』があります。
「SpecialⅡ」があるとなると、当然Ⅰがあるように思いがちですが、実はジャストの作品の中に、『天使たちの午後 SpecialⅠ』なる作品は存在しません。
なぜならば、そもそも本作が、『天使たちの午後 Special 横浜物語』として企画されていたのです。
しかし、前年(1991年)に、沙織事件が発生してしまいます。
沙織事件という名前からか、現在では『沙織』という作品ばかりが有名になっていますが、実はあの事件では複数の作品が窃盗の被害にあっており、その中にジャストの作品もあって、ジャストも摘発されてしまったのです。
その影響で、タイトルから天使たちの午後スペシャルという文字を外し、代わりに懺悔の意味も兼ねて、「ごめんねエンジェル」と入れたわけですね。
もちろん、後日仕切り直して、別の作品を「スペシャル1」にしても良かったのでしょう。
しかしジャストは、他の作品にスペシャルと付けることはせず、翌年には『天使たちの午後 SpecialⅡ』を発売します。
したがって、実質的に本作が、「SpecialⅠ」の立場であることにかわりはないのでしょう。
というわけで、直接的にはタイトルに明示されていないものの、本作もまた天午後シリーズの1作になります。
<感想>
移動先で情報を得て、また次の場所へ移動して情報を得る。
そして移動した先に女の子がいれば、情報を得るために無理やり関係を持ってしまうということで、基本的な流れは、いつもの天午後シリーズっぽいのかなと思います。
それなりに盛り上がることも盛り上がるのですが、良くも悪くも天午後シリーズらしくもあり、ストーリー自体は普通に楽しめるってところなのでしょう。
むしろ特徴があるとすれば、それはゲームデザインの方になるかと思います。
具体的に本作は、コマンド選択式ADVではあるものの、マルチエンディング方式になっています。
また、コマンド選択式ですが、移動の自由はありません。
一か所で必要なコマンドを実行すれば次の場所へ行けるようになり、逆に必要なコマンドを実行し終えるまでは別の場所に行けない構造です。
そうなると、移動の自由のあるタイプより簡単に思えそうですが、少なくとも本作はそうではないのです。
というのも、コマンドを実行しなければならない順番が設定されており、その順番通りに実行しないと先に進めなかったのです。
そのため、単にコマンドを全て実行するような手法、いわゆる「総当たり」の手法が通用する作品ではなく、難易度が非常に高くなっていたのです。
余談ですが、こういうのもあるから、コマンド選択式は選択式であって、総当たり式と言うべきではないのです。
ところで、ここで一つ思ったことなのですが、本作が出た当時の本家たる天午後ナンバリングタイトルは、作品が出るごとに難易度が下がっていきます。
これは、当時の中小ブランドのアダルトゲームの傾向、即ち必要なコマンド数が減り、ノベルとの中間的な形式に移行していった流れとも合致します。
それに対して、スペシャルシリーズは、時代の変化に逆行するかのように難易度が高くなっていたわけでして。
本作が出た経緯とか知らないのですが、ストーリーの傾向が本家ナンバリングタイトルと似ていたとしても、そのゲーム性の違いから、本家とは異なるユーザー層を獲得しようとしたとはいえ、少なくともその点で本作の意義はあるといえるのでしょう。
<評価>
本家天午後シリーズは、5や6では難易度が下がり、やり応えがなくなっていましたからね。
80年代頃の初期天午後シリーズの名残を求めるユーザーには、5や6路線よりも本作の方が馴染みやすかったように思います。
逆に、面倒なのは飽きたって人や、今風の作品を好む人ならば、5や6路線の方が楽しめるでしょうね。
この辺は、最終的には好みの問題になるのでしょう。
まぁ本作に関しては、ゲームとしての面白さよりも、上記の存在自体の資料的価値があることから、名前だけでも知っておくと良いかもしれませんね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-08-25 by katan



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