『D.U.O. ~song for all~』は、2002年にWIN用として、ぱんだはうすから発売されました。
雰囲気の良い作品で、特に主題歌を含めたサウンドの良い作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
21世紀。輝かしい新世紀始まりの年に、それは起こった。
なぜかは誰も知らない。
突如として、世界中の人間の免疫力が著しく低下、ゼロに等しくなるという現象。
あらゆる疫病が、人類に対して死の恐怖となった。
この世界規模の奇病蔓延により、地球上の人類は約5分の1にまで激減した。
謎の伝染病、バイオハザード、そしてヒトという種の淘汰…。
様々な憶測をする事はできたが、生き残った人間は復興に力を注ぐだけで精一杯であった。
後に、この人類史上最大にして最悪の災厄は『アポトーシス・クライシス』と呼ばれる。
それから約1世紀。22世紀を目前にした西暦2099年。
皮肉な事に、人口・環境問題等に頭を痛めなくても良くなった人類は、純粋に科学の発展に注力、著しい進歩を遂げていた。
諸々の問題も無いではなかったが、復興の勢いに比してはさしたるものでなく、人類は再び繁栄を極めることとなった。物語はここから始まる。
<感想>
ぱんだはうすはサウンドの良い作品が多いのですが、本作でも主題歌を含め、サウンドがとても良かったです。
グラフィックも良いし、作品全体の雰囲気が良かったですね。
そういう意味では、ぱんだはうすらしい作品でもありました。
ただ、近未来を舞台にした、萌えとは無縁な作品なので、これはゼロ年代からの萌え重視のユーザーには、うけないだろうなと思ったものです。
逆にPC98時代からユーザーであれば、方向性としては合っているのでしょうが、PC98時代は本作のような設定の作品はいろいろありましたので、今更惹かれるというものでもないのでしょう。
私自身、当時は、こういうの昔一杯プレイしたから、別にもういいかなって思ってスルーしたものでした。
そして、何年か経って、萌えゲーだらけになって、昔が懐かしくなってプレイする気になったという感じでしたしね。
経緯はともかくとして、面白ければ何だって構いません。
しかし、上記のとおり雰囲気は抜群のはずなのに、そしてキャラも良い味を出しているはずなのに、良い部分を活かしきれなかったように思います。
端的に言うならば、ストーリーに問題があったのでしょうね。
もともと本作のボリュームは少なめではあるのですが、説明不足なのか、唐突な感じが否めなかったです。
もう少しボリュームを増やして、丁寧に進めていれば、もっと化けていたのではないでしょうか。
また、ぱんだはうすの過去作は、優れた作りの作品も多かったのですが、そういう、こちらを唸らせるような要素が皆無だったのも残念でしたし、ぱんだはうすらしくないなと思ったものです。
ブランドの内情は知る由もありませんが、もうこの頃には苦しくなってきていたんですかね。
作りかけを見切り発車で発売したような印象が拭えなかったです。
<評価>
まぁ、萌えや泣きや厨二だけが評価されるような当時の状況にあっては、この系統の作品はうけなかっただろうなと思います。
作品としても、どうしても作り込みが足りないように思えますし、このブランドの過去作を知っている人ほど、もの足りなく感じてしまうかもしれません。
端的に言うならば、もったいない作品なんですよね。とはいえ、部分的には良い部分もありましたし、それなりに楽しめたこともあり、総合では佳作とします。
Last Updated on 2025-04-29 by katan