フォークソング

1999

『フォークソング』は1999年にWIN用として、REWNOSSから発売されました。

小池定路さんの絵が特徴的な作品でしたね。

<感想>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
画面全体をテキストで覆うタイプの作品、いわゆるビジュアルノベルになります。
ビジュアルノベルのマイナス点を克服した作品でもないのですが、基本的に動きのある作品ではないので、この形式でも特に支障はなかったように思います。

ストーリーとしては、田舎を舞台にした3組のカップルの恋愛ものになります。
サウンドの良さも相まって、雰囲気の良い作品でしたね。

そしてこの雰囲気の良さを生み出していたのが、小池定路さんの絵になるのでしょう。
萌え路線とも異なるのだけど、ほんわかしていてどことなく癒されてくるのです。

少ないながらにも一応その後も作品はあるのですが、結局これが一番良かったのかな。
そういう意味では小池定路さんの代表作といっても良いように思います。

ストーリーも決して悪くないのですが、好き嫌いが分かれるというより、評価が分かれる類の作品といえるかもしれません。

まず、マイナスの部分としては、やはりボリューム不足が挙げられるでしょう。
如何せん数時間で終わってしまいます。
この時期のゲームとしても、やはりちょっと短いです。
それでいて音声もアニメもないわけですから、コスパ的にはどうしても割高に感じてしまいます。

次に、起伏の少なさですね。
ストーリー全体が平坦で起伏に乏しい内容となっています。
そのため、グラフィックやサウンドによって上手く雰囲気に浸れることができれば、問題なく楽しめるのでしょうが、そこに自分がフィットし損ねたら、平坦で平凡な作品に見えてしまいかねません。

当時求められていたような萌えるキャラもなく、ボリュームもなく、音声もないということで、ゼロ年代前半のユーザーとかには、好まれない要素が揃っています。
だから本作がマイナーなのも理解できるし、低く評価されていても、それはそれで納得してしまいます。

他方で、上記の点にこだわらない人もいるでしょう。
その場合、他にはない独特の一枚絵は本作ならではの魅力となってきます。
また、6人の人生観や恋愛観が描かれた本作は、雰囲気の良さと相まって、刺さる人には刺さるでしょう。

<評価>

当時の流行に沿っていないのは確かですが、ゲームに何を求めるのか、どこに重点を置くかでも評価が大きく分かれそうな作品ですね。
総合としては、一枚絵はプラスと考えますが、起伏もボリュームも少ないストーリーということで、あまり楽しみ切れなかったこともあり、佳作とします。

この絵と雰囲気で、もう一本みてみたかったですね。

ランク:C(佳作)


フォークソング

Last Updated on 2025-01-13 by katan

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