『実姉妹 ~濡れた相姦図~』は2002年にWIN用として、ANALOG FACTORYから発売されました。
フルプライスの同人ゲーという珍しい作品ですが、理由を知ればそれも納得できるのかなと。
<概要>
ANALOG FACTORYの同人デビュー作品であり、それでいてフルプライスという価格設定。
何も知らない人が聞けば、全く見向きもされないように思いそうですが、これがまた発売前からかなり注目されていたわけでして。
あの『SEEK』などを手がけたPILの田所さんの新作ということは、それだけ大きなことでもあったんですよね。
また、この作品が同人扱いとならざるを得ないところに、当時のアダルトゲーム事情が見て取れるのです。
<感想>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
両親をなくした主人公とその妹が姉夫婦の下で生活を始めるのですが、ジャンル的には近親ものとなるでしょうか。
もっとも、ストーリーはあってないようなものですし、期待してプレイするとガッカリすると思います。
では、この作品がなぜ同人にならざるをえなかったのか。
そもそも、ソフ倫が誕生したのは92年のことですが、規制の態様も時代によって常に変化しています。
今もまた厳しくなりそうで悩みどころでもあるのですが、過去を振り返ってみても、99年の児ポ法なんてのは無視できない存在でした。
そんなわけでソフ倫の規制も次第に厳しくなり、近親描写は駄目であるとか、卑語はピー音なしでは駄目だとか、いろいろあったわけです。
したがって、各種規制に逆らう内容で出すには、同人で出すしかなかったんですね。
本作を今プレイしたならば、もしかしたら良さが全く分からないかもしれません。
しかし本作は、薄いモザイクに近親モノという内容、ピー音なしの卑語ボイスなど、この頃の規制の中では、かなりインパクトがあったのですよ。
私は、たとえばエロゲでしか出せない作品のように、その媒体でしか出せないような作品は評価すべきだと思っていますが、同人でしか出せない作品を出したという点は、高く評価されて然るべきなのでしょう。
<評価>
作品としての面白みよりも、資料的価値なのでしょうね。
規制が厳しくなり、その一方でそれに反発する動きも出始めて、本作はまさにそんな作品ですよね。
翌年にはメディ倫が参加することで、ソフ倫とメディ倫が競う形になり、規制が次第に緩やかになっていきます。
で、ようやく緩くなってきたな~って思うと、今度は違う事件だの法律などにより、また規制が厳しくなると。
歴史って繰り返されるのです。
エロゲの歴史なんて興味ないよ、エロゲは俺が抜けるか否かっていうハッキリした方も結構いると思うのですが、ちょっと視点を変えてみると面白いこともあるわけでして。
本作がフルプライスの同人で出た意味も分かるというものでしょう。
作品自体はそれほど面白いものでもないし、内容的には凡作と言われても仕方ないところもあるのですが、その製作意欲や音声の功績などを評価し、総合では佳作としておきたいと思います。
Last Updated on 2025-03-26 by katan
コメント
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18禁なのに規制だらけとか、ほんと嫌な時代でしたね
だから当時はエロゲにエロはいらないとかいうおかしな連中も生まれたんでしょうね
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規制が多いと、それだけ表現の自由が制限されているということになり、作品の多様性が失われてしまいますからね。
少なくとも、良い時代とは言えなかったでしょうね。