『FLOWERS -Le volume sur printemps- 春篇』は2014年にWIN用として、Innocent Greyから発売されました。
相変わらず、雰囲気だけは最高なんですけどね・・・
<概要>
ゲームジャンルはノベル系のADVになります。
あらすじ・・・
高い塀と森に囲まれたミッションスクール、聖アングレカム学院。
美しい少女たちが集う閉ざされた学院に、心に傷を持つ少女、白羽蘇芳が入学する。
とある事情から内にこもり家族以外の者と触れ合ったことのない彼女は、疑似的に‘友人’を作らせ学院での全てを共にさせる‘アミティエ’と呼ばれる試みを行う学院に惹かれたのだ。
学院からあてがわれた仮初の友、彼女らへ向けられる仄かな恋心。
穏やかに流れる学院生活の中で起こる、学院性との不自然な消失…。
少女たちは学院の中で何を見、何を掴むのだろうか――。
<感想>
『FLOWERS』ってタイトルの作品は昔にもあったので、そういうややこしいのはスルーしがちなのだけれど、
古い方は感想を書いていなかったので、今回は2014年にInnocent Greyから発売された方についてです。
このブランドの作品は、どれも悪い意味で雰囲気ゲーの傾向が強く、個人的には関心も薄れていたのですが、ミステリーに百合にと大好きな要素ばかり組み合わせられると、どうしても気になってしまいます。
過去作と異なり本作は18禁ではなく一般作ですが、百合なら、それでも構わないって思えますしね。
ただ、ストーリーに関しては、まずミステリー方面は期待しない方が良いでしょうね。
私みたいに大雑把な人だと気になる程度は低くてすむのだけれど、作中で得られた情報からきちんと解決されるべきと考える人、緻密に考えていく人だと、不満が大きくなってしまうでしょう。
また本作は続編につながるようで、曖昧な部分も残していますしね。
他方で百合なのだけれど、ミステリーに割く部分との兼ね合いで、どうしても薄くなっています。
いや、本作はミドルプライスではあるものの、ボリュームだけならフルプライス並にあるので、
上手いライターなら両方を盛り込めるはずなんですけどね。
百合のお約束パターンで例えるならば、パターンの序盤にあたりそうな部分に、かなりの分量を割いてしまっているわけでして。
だから百合好きが本当に求めるところが、薄くなってしまっていると。
総じて、いろいろ色気を出して、その意図も伝わってはくるものの、結局何も物にできず中途半端に終わってしまったなと。
<評価>
例えばグラフィックにしても、流石にイベントCGは綺麗で雰囲気は十分満足できます。
しかし心情がテキスト欄で描かれたり、吹き出しで描かれたり、どうも統一性を感じられないわけでして。
そこに上記のストーリーが加わるわけですから、全体的に中途半端で完成度の低い作品という印象になってしまいました。
部分的な雰囲気はいつも良いのに、何でこうなってしまうのだろうという感想もまた、いつも通りってところでしょうか。
新境地を切り開く意気込みは良いと思うのですが、今作はエロもないですし、ファン以外には少し厳しい作品かもしれませんね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2024-10-16 by katan