ドット劇場 タヌシルベ クエスト

2013

『ドット劇場 タヌシルベ クエスト』は2013年にWIN用として、ガビョウアナから発売されました。

昔懐かしドット絵が好きで、考えさせるゲーム性のあるアダルトゲームを求めている人にオススメの作品ですね。

<概要>

商品紹介は以下の通り。

フィールドに細工してヒロインの運命を操作する、RPG風の『ヒロイン誘導ミニゲーム』です。
(※戦闘などはありません。)
Hシーンは、すべてドットアニメーション!

何故かヒロインの運命を預かったタヌキ(プレーヤー)。
何故かルート変更した先に待ち受けるエロバッドエンド。
襲いかかる魔物や生き物達・・・・・・。
全てのHシーンを見終えた時、エンディングへの道が開かれます。

<ゲームデザイン>

ジャンルは、RPGのように直接マップ上を移動させるタイプのADVです。
主人公はタヌキで、制限時間内にマップ上からアイテムを取得したり、また別の場所に設置することができます。

こういう主人公を直接動かすADVは好きなのですが、商業のアダルトゲームではほとんどなくなってしまいました。
ゲームが楽しめなくなったと言うと、すぐに飽きただけだろと言い出す人もいますが、飽きたんじゃなく好きなジャンルが発売されなくなっていくケースの方が、少なくとも私には圧倒的に多いです。
たぶん、こういうジャンルが好きな人は他にもいると思うわけで、そうしたアダルトゲーマーは必然的に同人にシフトせざるを得ないよなと。

本作ならではの要素としては、「モノヘンゲ」というタヌキの能力により、取得したアイテムを一度だけ別の物に変化させることができます。
これがゲーム性を増すことに成功しています。
設定に即したアレンジを加える姿勢は好印象ですね。

また制限時間が過ぎると、マップにヒロインが登場します。
ヒロインはマップ上にあるアイテムに反応し、行動します。
つまり主人公がアイテムをどのように設置するかでヒロインの行動が変化し、それにより次の展開も変わってくるのです。
したがって、端的に言えばヒロインを誘導するゲームとなるわけですね。

これらの個々の要素に関していえば必ずしも斬新ではないのでしょうが、設定との融合やシステム同士の組み合わせ方により、全体としては多くの人が新鮮な感覚でプレイできると思います。

<グラフィック>

進路変更した先では、ヒロインは様々なバッドエンドに遭遇します。
アダルトゲームなので様々なエロシーンがあり、中には異種姦もあります。

通常のグラフィックも含め、全てはドット絵で表現されています。
古臭いと感じ、合わない人も当然いるでしょう。
だからどうしても好き嫌い分かれてしまうのでしょうが、個人的にはよくここまで作ったなと感心してしまいました。
ドット絵のエロなんて、そうはないですからね。
素直に凄いな~って感じです。
これはこれで一つの方向性でエロを追求した結果であり、アダルトゲームとしてのこだわりが見受けられて良かったのではないでしょうか。

<評価>

数時間で終わってしまう作品ですが、価格からすれば問題ないでしょう。

アイデア・独自性も抜群ですが、ゲームとしても十分に楽しめます。
冒頭でも書きましたが、考えさせるゲーム性のある作品、しかも安易にRPGにしたとかSLGにしただけっていうのではなく、そのゲームならではの独自性もきちんとある作品でアダルトゲームとなると、
近年はめったにありませんからね。
そういう作品を求めている人には、ぜひやってもらいたい作品です。

一応良作としておきますが、人によっては名作に値する作品だとは思いますね。

ランク:B-(良作)

Last Updated on 2024-11-05 by katan

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