『こみっくパーティー』は1999年にWIN用として、Leafから発売されました。
99年のアダルトゲームの中では、話題性の高さは1番でしたね。
<感想>
最大の魅力は、みつみ美里さんと甘露樹さんによる、可愛いキャラにありました。
私もキャラ目当てで購入したようなものですが、単に可愛いだけでなく、塗りに関しても当時最高峰だったかと思います。
確かこの作品は256色だったはずですが、以後はフルカラーの作品が増えますからね。
そう考えると256色のグラフィックの中では、これが最高の作品と言っても過言でないかもしれません。
実際、下手な他社のフルカラー作品よりも、こみパの方がよっぽど綺麗に見えましたしね。
キャラの可愛さというだけでも大きなポイントですが、それだけなら最近の作品でもやってれば十分とも言えます。
こもパは256色でここまで表現できるのだと示した点で、今日にも大きな意義があるように思います。
そういうわけでキャラや塗りに関しては文句はないし、ストーリーにしても、同人やコミケを扱うという題材で、多くのプレイヤーに親近感を与えることに成功しました。
今は内輪ネタ系・日常系の作品は多いですが、ゼロ年代に入るまではあまりありませんでしたので、より存在感があったわけですね。
そのため、世間では非常に高い評価を得た作品でもありました。
ただ、私としては、ストーリー自体はかなり普通なように思ったんですよね。
決してつまらなくはないのですが、褒めるほど面白いわけでもないって感じでした。
同人という題材に特別の思い入れのある人は熱狂できたけど、そうでない私のようなタイプは、あまり入っていきにくい作品でもあったと思います。
また、システムも基本はノベルなのですが、同人作りということで簡易的なSLGっぽい要素もありました。
必要なところに必要なシステムを入れようとする姿勢は、評価されて然るべきでしょう。
私はleafの作品は合わないことも多いのですが、この何か新しい試みを加えようとするこの頃の姿勢は好きだったわけで、だから毎回買っていたんですよね。
かようにブランド自体は好きなのですが、作品の評価は別の話です。
実際に導入されたSLG部分は面倒というか、いろいろと未熟でしたね。
漫画作りのSLGを楽しみたいって観点からは、PC-FXで発売された『こみっくろーど』をプレイした方が、はるかに楽しめるかと思います。
付け加えると、『こみっくろーど』はかなりマイナーなので、知らない人も多かったみたいです。
だから本作を新鮮に感じた人も多かったのでしょうが、私は既に『こみっくろーど』を経験済みでしたので、本作をプレイしてもそれ程新鮮に感じられなかったのです。
<評価>
総じて絵は綺麗なのだけれど、他の部分はいたって普通な作品でした。
絵のプラス分はストーリーの物足りなさで消されてしまいますし、個人的には良作止まりってとこでしょうね。
こういうのは当時の勢いに乗った人が楽しむものであって、今やってあまり楽しめるかは疑問もあります。
しかし上記のように256色でどこまで出来るのかを確かめたい人ならば、今からやっても大きな収穫を得られるように思いますね。
※上述の感想は、リアルタイムでプレイした時の感想を元にしています。
プレイしたときには、面白いけれどわりと普通の作品でもあるという感じで、その印象は今でも変わっていません。
しかし、アダルトゲームの歴史を振り返る観点からは、このゲームが担った意味は非常に大きかったようにも思います。
その辺りは書き出すと長くなるので、詳しくはコラムのアダルトゲームの歴史に委ねます。
そういう存在意義の大きさを加味するならば、広い意味で名作と言うに相応しいタイトルなのかもしれませんね。
よって現在のランクは暫定的なものであり、後日修正する可能性があります。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2025-01-07 by katan
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