悪女かまきり

1984

『悪女かまきり』は、1984年にPC88用として、CSKから発売されました。

1983年の同名の映画を題材にした作品になります。

<概要>

ゲームジャンルは、コマンド入力式ADVになります。
なお、ラストでは一部アクションパートもあります。

作品紹介・・・
そもそも、1983年に、五月みどりが主演を務めた、『悪女かまきり』(東映)という映画が製作されました。

CSKは東映の映画をゲーム化した作品を何本も製作しており、本作もその中の1本になります。

本作は、映画そのものをゲーム化したというよりも、映画の中の一部をゲーム化したとなるのでしょうか。
具体的には、映画の中で、藤村真沙子が島崎と組んで、真沙子のパトロンである堂島に保険金をかけ、殺害を計画実行する場面があります。
本作は、その部分をゲーム化したという感じですね。

<感想>

今回、今頃になってこの作品を持ち出した理由は、主に二つあります。

一つ目は、本作がいわゆるシナリオゲーだということです。
私は、近年のシナリオゲーと抜きゲーの何でも二分論で考える風潮には、非常に反対する立場といえます。
ただ、二分論には反対するものの、完全にストーリーを重視した作品に対して、それをシナリオゲーと評すること自体は構わないのでしょう。
もっとも、そのシナリオゲーにしても、90年代後半にシナリオゲーが生まれたとか言われると、それには大反対なんですけどね。
80年代後半から、既に幾つものシナリオゲーはありましたから。
その辺は、私の他の記事を読めば、いくらでも分かるはずです。

さて、肝心の本作なのですが、元となる映画の存在とは異なり、本作自体のエロの比重はかなり低いです。
とても実用性重視の作品とは言えません。
また、一応コマンド入力式ではあるものの、ゲーム性に関しても非常にシンプルであり、とてもゲーム性重視とは言えません。
映画を知っていれば、ストーリーも読めてしまうので、その点はネックではあるのですが、本作の構造としては堂島に保険金をかけて、いかに殺すかという目的の作品であり、普通に考えればストーリーを楽しむというか、ストーリー部分の比重の高い作品なのです。
だからもしこの作品を今風の二分論で区分するのであれば、シナリオゲーとしか言いようがないのです。
シナリオゲーの元祖が何かとかは、ハッキリ言って不毛で愚かな問いかけでしかないと思うのですが、まぁ遅くともこの時期にはあったと言えるのかもしれませんね。

次に二つ目なのですが、これもコラムとかでは何度も言っていることではあるんですけどね。
レトロなエロゲを扱った記事や書籍を見ると、どうしても80年代前半は炉利が流行って炉利ばっかな印象を受けます。
しかし、炉利ゲーが流行っていたのかとなると、私は簡単には首を縦に振ることができません。
確かに作品数はそれなりにあるのですが、ほとんどPSKという半ば同人のようなところが作ってただけで、他所が追従したわけでもないからです。
全作品に対する比重にしても、PSKが炉利ゲーを作ったのと同じくらい、CSKが熟女ゲーを作っています。
そうなると、少なくとも炉利ゲーに対する扱いと同等の扱いを、熟女ゲーに対してもなされるべきところ、その手の記事や書籍では熟女ゲーの扱いが全くなされていません。
これでは、読者に誤った知識を与えるだけとしか思えないのです。
この時期の販売数とかは私は知りませんが、アニメ原作とか映画原作とか、そういう作品は何だかんだで強いですからね。
当時PCを持っていた人の構成に鑑みると、東映映画のゲーム化であるCSK作品は強かったのではないかと、個人的には思うのですけどね。

<評価>

本作が完全オリジナルなら良作もありえるところ、原作があるということで、総合では佳作といったところでしょうか。

今回書いたことはコラムなどでも何度も書いているので、以前の記事も読んでいる人ならば、またかと思われるかもしれません。
他方で、書籍などだけで昔のゲームに対するイメージを形成した人だと、本作の存在はその人の認識に大きなズレを生じさせるのかなと思います。

ランク:C(佳作)

Last Updated on 2026-01-31 by katan

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