原宿アフターダーク

1988

『原宿AFTERDARK(アフターダーク)』は1988年にPC88用として、工画堂から発売されました。

ファッション業界を題材にしたミステリーADVでしたね。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド選択式ADVになります。
なお、移動シーンでは直接移動させる必要があります。

あらすじ・・・
舞台はファッションの街、原宿。
代々木公園で変死体が発見されたが、捜査が進むにつれ、事件の舞台は原宿、ファッション業界にまで広がっていく。
盗作、引き抜き…華やかさの影でくりひろげられる数々の陰謀のドラマ。
そして事件は、業界内の欲望と憎悪が複雑に絡み合う人間関係を浮かび上がらせていく。

<感想>

本作は、基本的には推理系のADVであり、地道にコツコツと調べ上げていくタイプの作品になります。
手堅くしっかり作られた作品であり、丹念に調べ上げることで物語が少しずつ進行していく、硬派な推理ADVの典型例って感じでしょうか。

そこにストーリーが加わるわけですが、これまた推理好きが好みそうな地に足の着いた展開でありながら、舞台を原宿やファッション業界とすることで、80年代の世相をも上手く取り入れた作品でした。

そういえば、88年って、他にも業界の内部を扱うような作品が出てきたのですが、この年って、何かそういう土台でもあったのでしょうか。
もう昔過ぎて、私にはちょっと思い出せないのですけれど。

いずれにしろ、本作は、この年を代表する推理ゲーの1つと言えるのでしょう。
凄く好きだったよって人も、結構いると思います。

移動モードは若干面倒だったのですが、これも地道な捜査の演出だと思えば大して苦にもならないでしょう。
そう考えれば欠点らしき欠点のない優れたゲームと言えるのではないかと。
なので、名作と言う人がいても十分に納得できるゲームではありましたね。

ただ、しいて言うならば、華やかさを期待してしまうストーリー上の題材と、地味にコツコツというゲームデザインがマッチしていたかというと、若干の疑問が残ります。
私は、その点が気になってしまいました。

<評価>

総じて良くできた作品であり、良作であることは間違いないのでしょう。

ただ、私は上記のように気になってしまった部分もあったわけでして。
また、88年は、前年以上に新鮮な刺激の多かった年でした。
特にRPGやSLGにその傾向が顕著に見られたのですが、ADVだって少なからずあったわけです。
ストーリーの優れたアダルトゲームなら、美少女が出てくる分だけ一般ゲーより楽しめます。
新システムのあるゲームは言うまでもないですが、普通のゲームでも家庭用ゲーム機なら手軽に遊べたりします。
何かしら特徴があるゲームが多い中で、本作は若干印象が薄かったようにも思います。
欠点もないけど明確な特徴もないってことで、名作には及ばずといったところでしょうか。

私の評価はそんな感じですが、上記のように基本的にしっかりと作られた推理ADVです。
80年代のPCの推理ADVがプレイしたい人で、ENIXとリバーヒルはやりつくしたから他のがやりたいって人には、オススメの1本と言えるのではないでしょうか。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-05-15 by katan

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