『鉄甲旗艦アトラゴン』は1995年にPC98用として、ムービックから発売されました。
製作はスタジオライブとウォーマシンの共同みたいですね。
大型戦艦に、巨砲です。
加えて主人公は変体チックな仮面野郎です。
何と言いますか、80年代90年代のSFアニメとかを好んでた身としては、妙に心が沸き踊ってくる設定です。
<概要>
ゲームジャンルはSLGになります。
あらすじ・・・
世界を二分する勢力、神聖マヤトニア王国とアングルマン帝国との、永きに渡る戦いは三年前の第二次ゼラント海海戦を境に、表面上は小康状態を保っていた。
この闘いに勝利をおさめたマヤトニア王国は、未知の海域を調査するため、自国の科学技術の粋を集めた戦闘調査艦アトラゴンを建造した。
王室はゼラント海戦の英雄、仮面船長にアトラゴンの指揮を依頼する。
戦闘要員、考古学者、博物学者を乗せ、アトラゴンは未知の海へと出航する。
行く手を阻む怪獣、海賊、そしてアングルマン帝国の戦艦。空を行く、不思議な飛行体。
密林の巨大ピラミッド。謎の美少女、ラ・ミコノの正体は? ミヨイ・タミアラ伝説とは何か?
様々な障害を克服し、アトラゴンは進む。大いなる目的のために!
<感想>
たぶんこういう雰囲気の作品が好きな人は結構いると思うので、あらすじを見ただけでも惹かれる人はいるんじゃないでしょうか。
ゲームジャンルはSLGで、システムについて語りだすと長くなってしまうのですが、端的に言えば『大航海時代2』に近いですかね。
『大航海時代2』にアニメっぽいキャラを使用し、更にストーリー性を増した反面、システムは簡略化したような作品を想像すれば、まず間違いないかと思います。
ちなみに、キャラデザは山内則康さんで、私はゲームの『女神天国』が浮かんでくるのですが、
一般的にはどうなんでしょう?
アニメの「ストラトスフォー」とか「AIKA」の印象が強いのかな?
最近では「ストライクウィッチーズ2」にも関わっていますし、そういう方面に強い方ですね。
代表作は何であれ、基本的に好きな原画家さんです。
脚本・監督は眠田直さんで、「バトルスキンパニック」の人ですね。
サウンドを見てみると、何と梅本竜さんも加わっていました。
こうしてみてみると、結構気になっていた人たちが関与していた作品でもありました。
それにしても、これはいろんな意味で時期の悪いゲームって気がしましたね。
95年の一般PCゲーなんて、有名作の続編は別として、出来の如何は関係なくほとんどが見向きすらされていません。
出来が良いのにマイナーなゲームがざらにありますしね。
本作だって、知名度はかなり低いでしょう。
そういう意味では、発売が遅かったとも思えます。
しかし、逆にジャンル的には少し早かったのかなとも思うわけでして。
キャラやストーリーを強調したゲームは、何もADVやRPGに限る必要はないわけです。
PS時代には、主にギャルゲーと呼ばれる分野ではありますが、キャラやストーリー性の強いSLGがたくさん発売されました。
あの当時はそういうものが受け入れられやすかったんですよね。
実際、ユーザーに高い評価を得た作品だって多数ありますし。
そう考えると、先端のハードの力を用いつつその時期に発売されていれば、本作ももっと評価されていたとも思うんですけどね。
セールスの観点からは機種的に遅すぎたし、評価の観点からはジャンル的に早すぎた、何とも微妙で勿体無い作品でした。
まぁ、世間の視点を考えるといろいろ難しいわけですが、プレイする私個人としては結構面白かったです。
私は『大航海時代2』も大好きな人間ですので、この手の作品が他にも出るっていうのは、素直に嬉しかったですからね。
<評価>
ただ、楽しくはあったのですが、名作と言い切るにはあと一つ何か足りない気もしました。
明確な長所に欠けるんですよ。
システム的には大航海時代2の方に軍配が上がりますし、ストーリー的にはADVに軍配が上がりますからね。
このゲームならではっていうものが、若干足りなかったように思うのです。
これがアダルトゲームで、アダルト要素がきっちり加えられていたら、おそらく名作扱いしていたんでしょうけどね。
そういうわけで、私の評価としては良作止まりって感じです。
もっとも、私の場合は『大航海時代2』が好きで、そっちを高く評価しすぎたっていう事情もありますからね。
ゲーム性や自由度や難易度を重視したので、結果的にこういう評価になったってのもあります。
ここは好みの問題も大きいでしょうね。
『大航海時代2』のようなリアル系は堅苦しくて嫌って人もいるでしょう。
翌年にはサターンで『サクラ大戦』なんかも大ヒットしていますし、以後はSLGとしての難易度は抑えつつ、キャラやストーリー性の強いSLGが好まれる傾向になっています。
そういう意味では、『大航海時代2』とかよりも、むしろアトラゴンの方が現代向きであるのかなとも思うわけでして。
それを踏まえれば、今プレイしても案外楽しめるかもしれませんね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-10-29 by katan
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