『キャプテン翼2 スーパーストライカー』は1990年にファミコン用として、テクモから発売されました。
原作付きのゲームでここまで絶賛された作品は、後にも先にもないのではないでしょうか。
<概要>
キャプテン翼のゲームといえばテクモ。
ファンに対しては、もう説明不要な気すらしてきますね。
今作の舞台は前作から3年後。
これは同時に原作の最後から3年後になります。
本作の発売時には、原作者による「ワールドユース編」はまだなく、したがって本作のストーリーは完全オリジナルとなります。
ストーリーとしては、翼はブラジルに渡っていて、サンパウロを率いてユースクラスの頂点を決めるリオカップ編に挑みます。
その後、リオカップ決勝の一週間前の日本に舞台は移り、岬らのいる南葛高校は、冬の全国高校サッカー選手権Ⅴ2を目指すことになります。
ジャパンカップ編としてサンパウロVS全日本を経た後、今度はワールドユース編に入ります。
ストーリーとしてはワールドユースの優勝が目的となりますが、同時に翼の必殺シュートとして、今後のシリーズの核にもなる「サイクロン」の習得も話の中心となっています。
<感想>
ゲームシステムは端的に言えばサッカーシミュレーションになります。
細かく言えば、リアルタイムの戦術SLGとなるのでしょうか。
基本的には前作と同じですね。
そういう意味では、システム的に前作程のインパクトはありません。
インパクトはないけれど、前作にあった幾つかの不満点が改善され、マイナーチェンジとはいえサッカーSLGとしての完成度は上昇しました。
まぁ、1の最大の特徴がシステムなら、2はストーリーにあるのでしょう。
原作(無印)では実現しなかったブラジル戦。
それをコインブラ等、強力なライバルたちを用意して、見事に演出しきったのは見事でした。
ブラジルは、リオカップ編で散々翼を苦しめたライバルやサンパウロFCで頼りになった仲間の集合ですからね。
ラスボスとしての風格は十分でした。
余談ですが、自分は決勝のスコアは3対2だったんですよ。
翼や日向の必殺技を全部駆使しても1点しか入らず、半ば負けを覚悟してたんですがね。
岬君のジャンピングボレーで2点を取って逆転勝ち。
岬君、大活躍でした。
前作も決勝は3対2で、その時もツインシュートで2点取ったので、私の場合、何故か要所要所で岬君が活躍します。
さて、程度の差はあれ、どんな作品にも熱狂的な原作信者がいますから、オリジナルの話って叩かれやすいですし、仮に叩かれないとしても絶賛されることは稀です。
原作の雰囲気を壊さずに作品化するのは難しいですしね。
しかしながらこの『キャプテン翼2』は、プレイした多くの人に絶賛されました。
私も原作の大ファンでしたから、批判的になってもおかしくないのですけどね。
禁句かもしれませんが・・・本人がその後に書いた続編より面白かったです。。。
『キャプテン翼2』こそが正史である。
そういう人、そう考える人も多いでしょう。
なんなら、私もその一人なんですけどね。
それほどまでに面白かったのです。
決勝のコインブラやゲルティスの反則的なまでの強さ。
未だに覚えてる人も多いのでは?
余談ですが、実際のブラジルって、強い時は強いし実績も最高なのだけれど、結構脆い一面もありますし、常に絶対的な存在というわけではありません。
だけど私はブラジルを特別視してしまいたくなるわけで、ワールドカップでもついブラジルを応援してしまいます。
そのような価値観ってのは、やっぱりキャプテン翼の、そして本作の影響が大きいように思います。
また、原作での岬君らは、一度も冬の全国高校サッカー選手権を勝っていません。
岬好きとしては、原作のワールドユース編以降の扱いに満足いかず、その点でも本作の方が好きなんですよね。
それにしても、サンパウロ編に、岬君たちの南葛高校編、最後はワールドユース編。
これ、漫画でフルにやったらどれだけの巻数が必要なんでしょうね?
それだけのボリュームを扱った点もお見事でした。
システムもシナリオも良い。
でもそれだけではなく、グラフィックもサウンドも神がかってました。
90年というのはファミコン末期っていうこともあり、ファミコン屈指のグラフィックだったのではないでしょうか。
よくこれで4Mに収まったものです。
その意味でも驚かされましたね。
<評価>
総合でも文句なしに名作といえるでしょう。
テクモのキャプテン翼だけでも5作品、他のメーカーからも後にいろいろ発売されています。
その中でもこの2こそが最高傑作であり(3以降はインフレがね・・・)、同時にサッカーSLGの最高傑作であると私は思うのです。
キャプテン翼ファンでこれをやってない人は、おそらく人生を損しています。
無理にでも入手してプレイすることをオススメしたいですね。
ランク:AA(傑作)

Last Updated on 2025-02-04 by katan
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