『Aliceの館4・5・6』は1997年にWIN用として、アリスソフトから発売されました。
三桁の数字の456ではなくて、4・5・6です。
これは『アリスの館3』の3倍のボリュームがあることから、4~6の3つ分ということでこの名前がついたとのことです。
<概要>
本作は「アリスの館」シリーズの4作目なのですが、ボリュームが大幅に増え、4~6作目に相当するということから、タイトルが「4・5・6」となっています。
作品としては、3本の新作ゲームと、PC98時代の6本の作品のWIN用移植版という構成になっていました。
ランス4は単独でWIN版が発売されていましたが、1~3はWIN95では遊べなかっただけに、1~3の収録された本作はランスファンにもありがたい存在だったのです。
<感想>
昔のアリスは、「アリスの部屋」という会誌を隔月で発行していました。
アリスファンな私は当然の如くファンクラブにも入っていたのですが、この会誌が凄く好きでいつも楽しみにしていたものです。
特に好きだったのが「CGは17年ゼミ」でした。
最初は、何このわけの分からん漫画?って思ってたんですけどね。
その後じわじわとはまっていって、気が付いたら、会誌が届いたら真っ先に確認するくらいになりました。
昔の会誌は、とにかく面白かったですね。
一方で会誌の存在は、ネットが普及していない頃にはゲームの貴重な情報源でもありました。
会誌を読むことで、初めて知る情報も満載でしたし。
最近のアリスはギリギリまで新作の存在が発表されないのですが、昔は本年度の計画として事前にたくさんの新作が発表されてましたしね。
たくさんの新作情報にワクワクしながら、何度も何度も読み返していました。
そんなアリスが「アリスの部屋31号」で突然発表したのが、この『アリスの館4・5・6』でした。
その時、どれだけ驚き、そして興奮したか分かってもらえるでしょうか。
当時、『人間狩り』は既に新作として発表されておりました。
おにぎりくんの絵に惹かれた私は、かなり期待して発売を待っていたんですよね。
その『人間狩り』に加え、『零式』と『アトラク・ナクア』という新作が2本。
また『ランス』の1~3に『闘神都市』、『DALK』に『Dr.STOP』という往年の名作良作が6本。
これら合計9本がセットになっていたんです。
近年は名作をセットでリメイクという販売方法も幾つか見かけますが、この当時はまだ、そんなのなかったですからね。
1本ずつの購入を予定していた旧作がセットになっただけでも驚きなのに、新作が3本もついてくるってのは本当に衝撃的でした。
CD-ROM4枚組というのも、97年時点の国産ゲームではなかったですしね。
一体どれだけのボリュームになるのだろう?って、とてもワクワクしたものです。
それでいて、通販だと7600円で買えたのです。
コストパフォーマンスの面でこれ以上の作品はないでしょうね。
もうあの時は、一生アリスについていこうとすら思ったものです。
旧作である6本の紹介はいずれ単品でやることもあるかと思いますので、ここでは割愛します。
一点だけ補足しますと、単にゲームデータを移植しただけではなく、当時の説明書も一緒に纏めてくれたのは嬉しかったですね。
『Dr.STOP』なんかは漫画がありましたから、それを読めると読めないとでは大違いですから。
<人間狩り>
新作の3本について見てみますと、まずは『人間狩り』。
今現在の評価では、おそらく3本の中で一番低いのではないでしょうか。
アリスにしては珍しく練りこみが足りないというか、実験のままで終わった実験作みたいな未完成なイメージでしたしね。
これだけは後に単品で発売されておらず、アリスCDに収録されただけという扱いになっています。
もっとも、美少女を狩るボードゲームってのは他にはない設定でしたし、おにぎりくんの描くキャラが可愛かったわけでして。
他人はともかく個人的には結構楽しめましたね。
3作の中で1番古くから発表されていて、その時に初めておにぎりくんの画を見て、一気に好きになったわけでして。
発売前に本作に一番期待していたのは、きっと私だけではないはずです。
<零式>
次に『零式』。
ジャンルはダンジョン探索型のRPGですね。
確か詰めRPGって言われてましたっけ。
凄くシンプルでストーリーも薄く、小粒なRPGではあります。
ただ、とにかくこだわりが感じられた作品でしたね。
ロボの絵や戦闘シーンはいかにもロボ好きが作ったような雰囲気でしたし、RPG部分もバランス良くRPGを分かった人が作ったって感じでした。
サウンドもゲームによくマッチしてましたしね。
私はミーハーなところもあるので結構好きかなって程度に止まりましたが、通な人ほどこの作品を好む傾向があるようです。
小粒だけどセンスの良さが随所で伝わってくる、そんなRPGでした。
RPG好きな人にこそやってもらいたい1本でしょうね。
なお、本作は後に単品で発売されています。
<アトラク=ナクア>
そして最後に、『アトラク=ナクア』です。
ジャンルは伝奇物のノベルゲームです。
今現在において「館456」といえば、おそらく本作のイメージが一番強いんじゃないでしょうか。
百合好きでもある私も、当然ながら本作が一番好きです。
ストーリーもキャラもグラフィックもサウンドも、ノベルとしてどの要素も非常に高水準でしたね。
百合好きには欠かせない1本でしょう。
特に百合ゲーがジャンルとして定着しておらず、非常に貴重だった時期だけに、余計にもその価値は増してくるというものです。
ほとんどの要素が凄いのだから、名作である点には何ら疑念はありません。
ただ、如何せん、出来は良いけど小ぶりな作品でしたからね。
凄い大作とかではありませんので、そこだけはご注意を。
そもそも本作は、ノベルゲーに参入したアリスのこん身の1作というのではなく、何か最近ノベルの人気が高くなってきてるけど、アリスがちょっと試しに作ってみたらこんな感じですよ~ってな、軽く作ったイメージの作品でした。
だからアリスが本気を出したら一体どんなノベルが出来るのか、当時はそんな風に凄く期待してたものでした。
<評価>
ランク的には、限りなく傑作に近い名作ってことで。
ボリュームや単純な満足度は最高なのですが、基本的に旧作に関しては評価対象外にしていますので。
そのため、小粒な新作だけの評価となると厳しくなっちゃいますからね。
余談ですが、その後もアリスの20周年記念ってことで、『アリス2010』が発売されたりとか、時々記念的な作品を出すアリスですが、また本作みたいな衝撃を味わいたいものですね。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2024-12-08 by katan
コメント
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ミニゲーム等にオンライン対戦を搭載したエロゲ等は他にもありますが、はオフラインで複数人で遊べるのは『人間狩り』の他にありますかね?
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>あーみさん
PC98時代までなら、『華麗なる人生』シリーズのようなボードゲーム等が少なからず存在していましたし、複数人で遊べました。
WIN以降になると、商業作品だと、可能性があるとしたら麻雀ゲーが対応しているかどうかなのでしょうが、私はWIN時代になってからの麻雀ゲーはプレイしていないので、よく分かりません。
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ありがとうございます。
DOSの時代にはあったのですね。