憧れ

1999

『憧れ』は1999年にWIN用として、フォスターから発売されました。

厘京太朗さんのデビュー作になるのでしょうか。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

主人公は高校生で、ヒロインは5人全員が教師でした。
つまり女教師ものになるわけで、各女教師との純愛を描いた作品でした。

<感想>

それ以前のフォスターの作品と比べると、雰囲気が変わったなとか、いろいろ感じるものはあるのですが、まぁフォスターはフォスターということでもあり、あまりストーリーには期待できないのかなと。

ただ、まだこの時期に女教師ばかりに特化した作品は少なかったので、女教師好きならば外せない作品でもあり、その点で意義はあったように思います。

もっとも、本作に関しては、今となっては厘京太朗さんのデビュー作という意義の方が大きいのかな。
もし違っていたらすみません。
というのも、私は、何年か経ってから厘京太朗さんの絵が大好きになったのですが、初期の絵は良いとは思えなかったわけでして。
最初から好きだったのではなく、じわじわと好きになっていった感じなんですね。
だから本作も、当時はフォスターの新作だとは把握していても、原画の厘さんの名前は把握していませんでした。
そのため、デビュー作云々って辺りは少し疎いのです。

<グラフィック>

本作のCGはとても綺麗です。
CGによっては、凄く良いなと思います。
ただ、キャラデザがね、特に立ち絵ですが、何か縮尺を変にいじったのかと思うくらい妙に縦長なのです。
だから全体としてはそれ程良いとは思えず、原画が誰かとか覚えていなかったのでしょう。

それと本作は、いわゆるヴィジュアルノベル(VN)であり、テキストが画面全体を覆っています。
VNって、安易にサウンドノベルの型を真似ただけで、グラフィックが大事なエロゲとは相性が悪いんですよね。
パクりゃいいってもんでもないのです。
せっかく綺麗なCGも、テキストで隠れてしまっては意味がありません。
もちろん、テキストを読ませることに意義のある作品ならば、テキストを前面に押し出す観点からVNでも良いのでしょうが、本作はそういう類の作品でもないですし。
なんかせっかく魅力になりそうなところを、ゲームデザインで台無しにしてしまった感はありましたね。

<評価>

楽しめない人は、全く楽しめない可能性も十分にある作品なのでしょう。

もっとも、CGの塗りは当時としては綺麗だったこと、昔の厘京太朗さんの絵を楽しむことができること、女教師特化作品であることから、何かしら関心を抱いた点があれば楽しめると思います。
個人的には、上記の点で一定の満足は得られたことから、ギリギリですが佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)


Last Updated on 2025-01-16 by katan

コメント

  1. 厘京太郎さんの資料集『Last conclusion』をkatanさんはお持ちかもしれないですけど、こちらの年表を見ても、デビュー作は『憧れ』で合っていると思います。
    私は『憧れ』の一枚絵を見て、一目惚れして、この作品を新品で購入しました。
    絵が素晴らしかっただけに、画面を文字で覆う形式(VN)は頂けないし、歯がゆかったです。

    私自身、女教師という職業に一番惹かれるということもあり、他にも名作はあると思うのですが、この『憧れ』が最も記憶に残っている作品になります。
    お話自体も決して褒められた出来ではないけれども、無駄を削ぎ落とした印象で好みです。
    私は、『憧れ』の頃の厘京太郎さんの絵が至高と感じていますが、katanさんはどの作品がきっかけで注目を置かれたのか気になります。

    • >メガドラさん

      そうですね~意識しだしたのは、BeF時代になってから、具体的には『八月のノスタルジア』からだと思います。

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