『クロス ~狂気への道標~』は2004年にWIN用として、TRUSTから発売されました。
ヒロインである雫の存在感が目立っていましたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・充臨館学園に通う、概ね普通の学生‘織田道臣’。
学園の内外を問わず、黒い噂の絶えない学生‘狩野元哉’。
同じ学園に通う後輩と先輩でしかなかった両者は、ある日、ひとつの接点を持つことになる。
「エロゲー」を買う姿を元哉に目撃された道臣。
道臣の「陵辱ゲー」に、興味と欲望を膨らませる元哉。
そして、元哉は道臣に問い掛ける。
「現実を舞台にして、ゲームを再現できないか?」
ゲームの目的は「攻略対象を性奴隷へと堕とすこと」。
攻略の手段は「陵辱」。
攻略の対象は‘氷川雫’‘綾瀬優姫’‘坂崎遥’。
ありふれた日常の中で出会う無数の選択肢。
なにげない選択が、重要なフラグを立てる。
積み重ねられたフラグが導く、興奮のエッチイベント。
ゲームの中で遊び飽きたはずのパターンが、現実の光景となって道臣の前に再現される。
<感想>
2004年というのは、アダルトゲーマーにとってどういう年だったのか。
個人的にはゼロ年代の中でも極めて豊作な年だったと思うし、かつて名作を輩出したクリエイターらの新作が幾つも揃ったことから、半ば引退気味の人も躊躇してしまうような作品があり、ベテランゲーマーは気になった作品が多かった年だと思います。
でも、中には不作だったという意見もあったわけでして。
最初はそれがどうにも理解できなかったのだけれど、そう言う人たちの傾向を分析してみると、売れ筋の萌え・純愛ゲーばかりプレイしている人だったんですよね。
そう言われてみれば、純愛系の大作に限定して考えるならば、2004年は話題作が少なかったのかもしれません。
地方の小売店の話をみても、『Fate』は売れたけど、逆にそれしか売れず他のがサッパリというのがありましたし。
過去の名作を生んだクリエイターの新作なんて、当時の初心者は興味を示さないでしょうから、萌え・純愛中心のゲーマーには印象の薄い年だったのでしょう。
では、2004年はベテランユーザーだけが歓喜した年かというと、必ずしもそうではなくて、陵辱系の作品に名作・良作の非常に多い年でもあり、陵辱系中心のユーザーなら、当時の初心者でも楽しかったのではないかなと思うわけでして。
そして本作も、ある意味で2004年を象徴する作品の一つなのかもしれません。
さて、本作は内容的には陵辱ものであり、ストーリーに関しても特に秀でた部分はありません。
テキストも、本作のライターの作品は幾つもプレイしていますし、個人的には嫌いではないのですが、特別良いというほどでもないでしょう。
全体としては、ごく普通の陵辱ゲーという感じなんだと思います。
ただ、本作の場合、一点だけ強烈な魅力を有していて、それがキャラなんですね。
より具体的に言うならば、ヒロインの雫ですね。
陵辱作品におけるヒロインというのは、言い換えればメインターゲットとなるのだけれど、犯されてすぐに墜ちてしまうキャラも多いんですよね。
それに不満を持って、なかなか墜ちないヒロインが望まれたものですが、本作のヒロインである雫がまさにそうで、最後まで反抗心を持ち、なかなか墜ちないのです。
酷い言い方をすれば、使い捨てとなりかねない陵辱ゲーのヒロインにあって、雫は珍しく高い人気を有し、その後も関連作品が幾つも出ています。
純愛・萌え系作品のメインヒロインでも、近年は使い捨てのように、新作が出れば忘れ去られてしまいかねない状況にあります。
そんな中で、陵辱系作品のヒロインが愛され続けるというのは、かなり異例なのでしょう。
先程、2004年の陵辱系には名作・良作が多かったと書きましたが、ストーリーの良いものもあれば、ゲーム性の凝ったものもあり、各作品の傾向は異なってきます。
中にはキャラに特徴のある作品もあるわけで、その代表格が本作ということなのでしょうね。
<評価>
基本的にはストーリーだけなら凡作程度の作品なのだけれど、キャラの存在感でプラスになり、総合では佳作としておきます。
ヒロインの存在感を重視するならば、それ以上の評価もありえるでしょうね。
墜ちないヒロインというのは、当時は陵辱系作品における理想のヒロインだと、そんな風に自分も考えていたものでした。
他所でもそういう意見を何度も見かけたから、皆が同じように考えていたと当時は思っていたのですけどね。
今は墜ちないヒロインが増えるどころか、マッハで即墜ちするヒロインが増えているわけでして。
懐古を嫌い現状を肯定する人によれば、昔は何が売れるか分らなかったけれど、今は需要に合わせて供給されるようになったそうで。
じゃあ、その意見が正しいのだとして、本当にユーザーの求める作品が増えていくのだとするならば、多くのユーザーは、コイツ阿呆だろとしか思えないような、即墜ちする女性の方を望んでいるのだろうかと、そんな疑問を抱いてしまいます。
まぁユーザー一般の嗜好はともかくとして、もし陵辱ゲーに墜ちないヒロインを求めているのであれば、本作はオススメなのでしょう。
Last Updated on 2026-02-01 by katan


