『9 -nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと』は、2020年にWIN用として、ぱれっとから発売されました。
シリーズ4作目にして完結編になります。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・白巳津川市。
学園都市であること以外になんの特色もない街。
大地震により、白蛇九十九神社に祀られていた神器が破損し、並行世界から所有者に特殊能力を授ける装飾品「アーティファクト」が流入した。
その人知を超えた力を悪用した事件を主人公「新海翔」は様々な枝(並行世界)で調査、そして解決してきた。
そしてついに全ての黒幕が「イーリス」だと分かりイーリスを倒してくれと「ソフィーティア」にお願いされる。
始まりの日。白蛇九十九神社でフェスを行い大地震により中断されたあの日。
全ての枝の記憶を持った翔は、打倒イーリスのため動き始める。
そして玖方女学院の正義感あふれる少女「結城希亜」の能力「ジ・オーダー」がイーリス打倒のカギだと分かり、翔は希亜に違う枝での出来事を打ち明ける。
アーティファクト流出の真相。魔眼のユーザーとの決着。
異能の力を手に入れた少年少女たちの運命は――。
<感想>
シリーズ4作目であり、本作で完結となります。
続きものですので、未プレイの方は、必ず1作目からプレイするようにしてください。
さて、私はできるだけ他作品を引き合いに出すことはしないのですが、この作品というか、このシリーズをプレイして思ったのは、アニメ映画でいうところの『君の名は。』みたいな作品だなと。
もちろん、内容は全然違いますけどね。
『君の名は。』を観た時、悪くはないけれど、それほど面白くもないという印象でした。
他方で、あぁ~これは売れるよなとも思いました。
なんか、作中のあちこちに、いろんな層の人が興味を持ちそうな要素が含まれていたからです。
本作も、キャラはエロゲユーザー受けしそうだし、演出もそれなりに頑張っています。
厨二的ではあるものの燃える展開もあるし、ストーリーの題材的にもエロゲユーザー受けしやすいものです。
分割販売により、1作ずつの価格も安いので、手を出しやすいといえます。
なによりエロゲユーザー内の幅広い層が興味を持ちそうな内容といえ、これは売れるだろうなと思いました。
まぁ、セールスを伸ばしたいというブランドがあれば、こういう作品をお手本にするべきなのでしょう。
したがって、良く市場分析がなされているという意味では、本作は素晴らしい作品だと思うし、どういう嗜好の入門者にも対応できそうという意味で、初心者の入門作としてもお手本のような作品だと思います。
そういう意味では、プレイしていて、なるほどなと思えたところもありますが、個人的に楽しめたかとなると、やはりそれは別物です。
厨二的なラノベっぽい内容という時点で、あまり合わない作品ではあるのですが、そうした主観的な好みを除いたとしても、何作も発売することにより、話自体は壮大になりつつも、キャラ数が少ないことで妙にこぢんまりとしてしまっている等、プロット・ストーリーに無理が生じてきているようで、小規模な分割にしたことによる弊害が出てしまった作品でした。
<評価>
特に秀でた部分もないことから、総合では凡作といえるでしょう。
最初から1本にまとめての発売にして、その分、ストーリーをしっかり構成しなおせていれば、もう少し良い作品になっていたかもしれません。
ただ、そうなると作品の完成度は高まるでしょうが、セールスは落ちていたでしょうね。
どこかが致命的に悪いというよりは、私はプレイする必要はなかったかなという意味で凡作としましたが、上記のとおり、低価格で幅い広い層に受けそうな要素が入っていますから、手軽に手に取りやすい点も併せて考えると、初心者の入門向けとしては良い作品だと思いますので、プレイを検討しているのであれば、早く始めることをおすすめします。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2025-03-24 by katan
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