絶望 ~青い果実の散花~

1999

『絶望 ~青い果実の散花~』は1999年にWIN用として、スタジオメビウスから発売されました。

96年に発売された『悪夢』の後継作になり、長く待たされた作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
死刑判決を受けた紳一達は、事故で植物人間になった浮浪者「茂」の肉体を利用し、再び少女狩りを始める…。
名家のお嬢様が通う伝統校・聖セリーヌ学園。
その学園の生徒達が次々と行方不明になる事件が起こる。
何人もの少女を誘拐、暴行した罪で捕まったはずの凶悪犯が再び町に現れた。
町で出会った少女達を言葉巧みに誘い出し、世間が恐怖におののきマスコミが騒ぐ中、暴行事件は拡大して行く。
少女誘拐暴行犯…少女にとって天敵で、最も鬼畜な存在、そう、それはプレイヤーであるあなただった…
果たして、あなたは何人の少女を連れ去ることができるだろうか…

<発売延期>

本作で一番印象に残っていることと言えば、やっぱり発売日になるでしょうか。

前作の『悪夢』は大ヒットしました。
監禁したキャラをひたすら陵辱するという潔い設定に加え、可愛いキャラが非常に多かったことから、陵辱好きなら買わずにいられないって感じでしたからね。

その反面、発想が良くて売れたわりには、中身はイマイチ伴っていなかった作品でもありました。
とはいえ、必ずしも全部が駄目というのではなく、ここをこうしたらもっと面白くなるのにという、惜しい面を多く有していた作品だったんですね。
だからこそ、続編には期待したくもなるわけです。

私は、本作を発売日に速攻で買おうと思ったのですが、これがまたよく延びたんですよね。
それでも、発売日がいつってハッキリ決まったらまだ良いのですが、途中からずっと未定のままになってしまいました。

発売予定日とされる日に、お店に電話で確認しても、このゲームに関してだけは何も分からない、いつ出るかも全く分からないと言われました。
ところが、なんと本作は、その電話確認の2日後くらいに発売されました。。。
いやいや、このときばかりはお店の人に殺意を抱きましたねw
まぁ、こうしたトラブルはアダルトゲームにはつきものかもしれませんが、私は幸いにも比較的この手のトラブルには縁がなかったので、それで逆に印象深く覚えてたりするわけです。

<感想>

さて、肝心の中身についてみていきましょう。
前作でも多くのキャラが出てきましたが、今作も28人+αと非常に多く、監禁して陵辱してって流れも同じです。
ただ、前作は既に監禁状態にあるところから始まったのですが、本作では、街を徘徊して自分で連れて来なければなりませんでした。

基本的な流れとしては、マップを移動して各キャラの情報を収集し、フラグを立てたら監禁して陵辱となります。
アイテムも出てきますし、監禁に至るまでの部分にゲーム性を出そうとした試み自体は、とても良かったのだと思います。

ただ、発想は良かったのですが、ちょっと練り込みが足りなかったですね。
もう少し作りこんであれば大化けした可能性もあるのでしょうけど。
無駄にマップは広いし移動はだるいしで、人によってはちょっとつらいかもしれません。

また、監禁に至る過程に重点を置いてしまったために、陵辱シーンも相変わらずでした。
同じような画面で何度か犯ってはすぐ壊れ・・・ばかりです。
たぶん、前作からここを改良して欲しかった人が一番多かったと思います。
それなのに、肝心のところが相変わらずどころか、むしろテキストは悪くなってるようにさえ思えるわけでして。
前作では設定の新鮮さもありましたが、同じことを繰り返されると興醒めしてしまいます。
結局、前作から手間だけ増えて、得られる感動は同等かそれ以下なわけですからね。

<評価>

端的に言えば、少し期待はずれでしたかね。
まぁ、女の子は一杯いますし、それなりには楽しめます。
他にこんなにたくさんの女の子を陵辱できるゲームもなかったですしね、十分元は取れる作品ではあったでしょう。

しかし、本末転倒といいますか、本作の一番の特徴部分に全然力を入れず、それ以外のところで力を入れることで、結局本作の一番の特徴部分も薄味になってしまった感があります。

何だかんだで結構楽しめたことも確かですが、前作のインパクトに比べると確実に1ランク下がると言わざるをえないでしょう。
前作は良作としましたので、そうなると佳作でしょうか。
ある意味一番伸びて欲しかったブランドだけに、失望感も大きかったですね。

ランクC-(佳作)


絶望 青い果実の散花

Last Updated on 2024-06-04 by katan

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