テラべっぴん

2012

『テラべっぴん』は2012年にWIN用として、CLOCKUPから発売されました。

エロく楽しく、予想以上に面白い作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・『じゅばんじへようこそ?♪』
なんなんだ?これは??
そこには異質な空間が広がっていた――
家族ぐるみで旅行に来ていた「主人公・橘一樹」と「神楽京香」。
昔来たことがある土地で懐かしさに散歩にでかけたところ山奥で古びたお寺を発見する。
突然の雨にひとまずお寺へと避難した二人は突然開いたお堂の扉に引き寄せられるように中へ。
とそこには「着物のようなワンピースのような不思議な服に大幣(おおぬさ)を持った少女・不動森羅」がにっこりと微笑んでいた。
森羅に案内され奥へ行くとお茶を飲んでいる「松平雪」の姿が。
にっこりと微笑んで二人を迎える雪。
人が集まるまで少し待つようにと言われる。
やがて、一樹が入ってきたドアとは別のドアから不知火憧子・早乙女乙女がやってくる。
キョトンとしている神楽京香、涼しい顔の不動森羅、無愛想な不知火憧子、ニコニコしている松平雪、そして妖艶に微笑む早乙女乙女…
「これで全員そろったようじゃな」「これからここで皆で楽しくゲームをしましょう」
森羅と雪の合図でゲームがスタートする。
不思議なゲームに興じていると時間があっという間に過ぎてしまう。
もうそろそろ帰ろうと一樹が申し出ると森羅はニヤリと笑ってゲームの途中放棄は出来ない。
ゴールしないとゲームは終わらないという。出口ももうどこだかわからない。
途方に暮れるもゲームを続行するしかないということで納得する一樹。
そこへくじ引きの再抽選が始まる。くじを引く一樹。するとなにやらピンク色のおみくじが。
「ふふ…なかなかに面白いことになってきたのぉ…」
笑みをさらに深くし意味深な言葉を呟く森羅。
不思議な空間で巻き起こる怒涛のエロイベントが始まる――!

<感想>

クロックアップの作品は、わりとプレイしているのですが、特にファンというわけでもなく、また本作の内容というか位置付けがいまいち分からず、あまり興味を持てなかったんですね。
それで、当初はスルーしていた作品でした。

クロックアップは、いろんな方向性の作品がありますが、ブランドを代表する作品の中に『euphoria』があります。
『euphoria』は、映画が好きな人であれば、あぁ~あの映画をエロゲ化しようとしたんだなと、きっと思い浮かんだはずです。
そういう意味では、本作も『euphoria』路線の作品であり、映画が好きな人だと、思い当たる節があるのかなと。

まぁ、気付かなくても全然関係はないのですが、とりあえず本作の内容としては、山奥の寺に集まった人たちが、ボードゲームの世界に取り込まれてしまいまして。
元の世界に戻るにはゴールまで進まなければならず、そのためにくじ引きを繰り返すことになります。
そして、くじで出た命令には絶対に従わねばならないところ、その命令の中にはエロい命令も多数含まれています。

とんかつだのパカモトりょうまだの、珍妙な生物に囲まれながら進むゲームは、非常に楽しくテンポ良く進んでいきます。
そのため、一気に読んでしまうような楽しい作品でした。

基本的にはバカゲーっぽくもあるのですが、クロックアップの作品だけあって、エロも十分に多いです。

いつも私は、シナリオゲーとか抜きゲーとかの、二分論的な発想はナンセンスだと述べています。
どちらにも属する作品やどちらにも属さない作品もあり、型にはまらない作品がいくつもある中で、無理やり型にはめること自体が愚かなのです。

本作も、型にはまらない作品の一つであり、エロシーンの多さから、人によっては抜きゲーに分類するのかもしれません。
しかし、単にエロの偏った作品ではなく、読んでいてエロ以上にストーリーの良さの方が、むしろ印象に残る作品でもあるんですよね。

その他、グラフィックや演出、音楽も良かったですし、総合的にバランスの良い、高水準な作品だと思います。

<評価>

総合では良作としておきます。

予想外にと言っては失礼かもしれませんが、欠点らしき欠点のない、優れた楽しい作品でした。
もう一つ突き抜けたものが足りなかったので、名作には一歩及ばずという判断になりましたが、主観的にはかなり好きな作品でしたね。

ランク:B(良作)




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Last Updated on 2024-12-02 by katan

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