遊郭に売られた俺の彼女

2017

『遊郭に売られた俺の彼女』は2017年にWIN用として、めくじらから発売されました。

温故知新というのか、あぁ、これなんだよなと、再認識させられたNTRゲーでした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

【剣術小町編(出会い編)】★ミステリーモノ
盗賊と剣術小町が出会い事件を通じて恋に落ちる話

【女郎編(寝取られ編)】 ★寝取られモノ
剣術小町が女郎へと転落して、寝取られまくる話

本作は、「出会い編(剣術小町)」と「寝取られ編(女郎)」の二部構成による長編物語になります。

<感想>

「めくじら」は、NTR系の同人では有名なサークルですね。
2012年に作品を出したあと、しばらく作品がなかったので、もう出さないのかとも思っていたところ、2015年から、また新作が出始めたわけでして。
あれは嬉しかったですね。
ちなみに、2016年に発売された作品は、ゲームデザインが凝っていた作品であり、それはそれで面白い試みではありました。
しかし、その代わりに、それまでの作品の特徴であった、ストーリー・テキストの良さが損なわれてしまっていました。
本作は、また元の読ませる路線に戻っており、過去作のファンでも安心して楽しめる内容になっています。

ところで、ミステリーの中にも細かくジャンルが分れるように、寝取られ(NTR)だって幾つかのジャンルに分けることができます。
近年は、いわゆる不意打ち系が、NTRを嫌う層から批判を浴びるために、ほぼ絶滅状態にあります。
そのため、現状としましては、NTRの過程、つまり堕ちていく過程を丁寧に描いた作品ばかりになっています。

その観点から本作をについてまず検討しますと、上記のように、本作は2部構成になっています。
1部はミステリー風のストーリーであり、寝取られは関係ありません。
つまり、寝取られ関係の話は、2部からになっているのです。
本作は同人作品ですし、価格以上にはボリュームはあるものの、それでもフルプライスのNTRゲーよりは少ないわけで、その上更に後半から寝取られなわけですからね。
いくら過去作同様に上手いテキストだったとしても、絶対的なボリューム不足ということもあり、寝取られの過程部分だけに特化した作品ほどには、濃い内容にはなれません。
したがって、NTRの過程だけを求めたユーザーには、テキストの上手さなどから十分楽しめる良作にはなりえても、名作クラスの特別な作品にまではならないでしょう。

しかしね、NTRファンは、その全てが過程だけを見ているわけではないはずです。
上記のように、かつては、不意打ち系を求めていた人たちもいたわけですから。
・・・まぁ、今でも私のように不意打ち系を求めている人も残ってはいるでしょうが、不意打ち系は弾劾されやすいですからね。
そういうのが好きな人は、もうエロゲに見切りをつけて引退してしまっているケースも多いでしょう。
だからまだ不意打ち系好きが残っているとしても、数としては少数なんだとは思っています。

本作は、1部として、主人公である盗賊とヒロインの剣術小町が出会う、ミステリーモノが描かれています。
本作では、このパートこそが面白かったわけでして。
確か寝取られモノとしてプレイし始めたはずなのに、気が付くと寝取られということを忘れて、ミステリー作品としてストーリーに没頭してしまっていたのです。
その面白いシナリオを読んでいるうちに、ヒロインへの愛着もどんどん増していきます。
普通なら、そのままヒロインとの恋愛が育まれ、ハッピーエンドになりそうなものですが、本作では、そこから2部として、寝取られシナリオが始まります。
ヒロインに対して、十分に愛着の沸いたあとだけに、この寝取られは、とても痛く感じるのです。

そこでね、思ったわけですよ。
使いやすい単語でもあるので、不意打ち、不意打ちって、皆言うのですが、本当に言葉通りに、「不意打ち」だけを求めているのかなって。
本当に不意打ちだけで構わないのであれば、よく知らないモブが野郎といきなりHを始めても、それでも不意打ちとして成り立つはずです。
でも、そういう作品が人気を得るとは思わないし、現にそういう作品があっても、私は面白いとは思いません。
寝取られゲーという言葉が出てきた最初の頃、少なくとも某掲示板でその言葉が出始めた頃、その意味するところは、「彼女または片想いの娘が犯られてしまうゲーム」だったはずです。
他人に犯られてしまう娘は、決して誰でも良いのではなく、彼女や片想いの娘という、主人公にとってかけがえのない、大事な女性であることが肝心なのです。
その女性が大事であればあるほど、突然犯されたことによるショックも大きいのであり、「突然犯される(不意打ち)」ことよりも、主人公にとって大事な女性であることの方が、本来は重要な要素ではなかったのでしょうか。
他に代えがたい大事な女性であれば、必ずしも不意打ちでなく、たとえ寝取られることが分っていても、いざ寝取られシーンを見せられると、ショックを受けるものです。

そして本作は、不意打ち系の本質である、自分の大事な女性が奪われてしまったという部分を、強調してきた作品なのです。
本作をプレイしていて、これなんだよなと、改めて思わされましたね。
不意打ちという言葉に惑わされがちだけれども、本質はそこではなく、ここなんだよと、再認識させられました。

ちなみに、ストーリー以外の他の要素としては、本作はグラフィックも良かったです。
全体を使って、構図の良いCGが何枚もありましたしね。
ここもポイントが大きいです。

<評価>

堕ちる過程を描くことだけに注力した寝取られゲーが増えている中で、過去の寝取られゲーの良いところを現代的に再構築・表現しなおしたということで、ミステリー小説でいうところの、新本格派の登場みたいない位置付けになるでしょうか。
その点も考慮し、総合では名作とします。

上記のとおり、NTRにもいろいろありますし、NTRの堕ちていく過程だけを求める人だと良作といったところだと思いますけどね。
そうでない場合には、特に昔やった不意打ち系が印象的で忘れられない人には、本作はおすすめだと思います。
なにより、私個人としては、こういう作品がもっと増えていくことを望みます。

ランク:A-(名作)


Last Updated on 2024-08-16 by katan

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