『通心ぼ ~ママにもナイショの時間割~』は2015年にWIN用として、マーブルCandysoftから発売されました。
キャラが可愛いのはもちろんなのだけれど、その一方で萌えに関して考えさせられた作品でもありました。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
有名な私立学園の教師になりたくて単身、都会へと移り住み、周辺の学園で下積みをして数年。
待ちに待った転勤の知らせに思わず期待が高まった。
――が、その辞令を見て愕然とする。
場所はとある辺鄙な場所。一言でいえばドがつくほどの田舎である。
とはいえ上からの命令、渋々と言った面持ちで新しい職場へと足を運んだ。
するとそこは想像を絶するものだった。校舎は古く、学生も指折りしかいない。
あまりの寂れ具合に落胆の色を隠せないまま初日の挨拶を迎えた。
数少ない学生の前で自己紹介を行うと思いがけないほどの人の温かさが返ってきた。
都会のピリピリとした教室の空気と違い、市が楽忘れていた家族のような温かさに、僕の気持ちは次第に揺れ動いていった。
<感想>
今年は炉利ゲーに非常に勢いがあるなと思っているのだけれど、それを証明する作品がまた一本でてきたってのが、個人的な印象となるでしょうか。
特に印象的なのは原画ですね。
また一人、今後に大いに期待できる原画家が出てきたわけで、それが何よりの収穫なのかもしれません。
もっとも、一番良いなと思えたのがパケ絵でして。
もう少し、ゲームをやることで、何かしらおぉ~と思えるような部分が出てくれば、もっと良い印象になるのでしょうが。
まぁ、その辺も含めて今後に期待というところでしょうか。
本作は上記のようにキャラが非常に可愛く、炉利ゲーとして押さえるべき点は押さえていて、しかも思いの外にストーリーが良いわけでして。
何ていうか、予想外にまともに学校の先生をしているのですよ、この主人公。
いや、最終的には幼女に手を出す変態ではあるのですが、少女とのエロだけが目的のような作品ではなく、まるで教師モノのドラマでも見ているかのように、普通に学校に行って教師としての生活をおくっており、その日常が描かれているのです。
炉利ゲーと言っても方向性はいろいろあるわけで、そこに特殊な性的属性を加える作品もあるでしょう。
本作はそういう作品ではなくて、どちらかと言うとストーリー性を重視した作品になると思います。
だからエロい炉利ゲーでありつつ、そこにある程度のまともなシナリオ性も欲しい人であるならば、
より一層楽しめるのでしょう。
炉利+シナリオという観点だけで考えるならば、優秀な今年の炉利ゲーの中でも、本作は頭一つ抜き出た作品だと思います。
しかしながら、以上を前提とした上で、少し気になることもありまして。
例えば日常系の萌えアニメというものがあり、自分自身も今でもよく見ています。
それらの作品で可愛い女の子らが30分間動き回るのを見て、一日の疲れを癒したり和んだりするんですよね。
信者は萌え豚とか言われたりもしますが、こっちは単純に癒されたいし、可愛い女の子が見たいのだから、しっかりとしたストーリー性とかなくても、ずっと女の子らが戯れているだけでも良いのですよ。
大事なのは、目当ての女の子が時間内に一杯映っていることなのです。
その点、本作は、確かにシナリオはまともです。
しかし、なまじ真面目に先生生活を描写しているものだから、意外とヒロインらの出番がありません。
ヒロインの誰も映っていない場面が非常に多いのです。
ヒロインのイベントシーンにどれだけ破壊力があっても、プレイ時間に対するヒロイン率が少なくなってしまうと、どうしても寂しく感じてしまいます。
だからね、主人公の日常なんて正直どうでもえぇねん、もっとヒロイン映せやと、そう思いながらプレイしたわけでして。
少女を愛でる・少女に萌えるという観点からは、数十分間映り続け動き続ける萌えアニメは優秀なんだなと、今更ながらに実感したものでした。
もちろん、いやいやこれは単なる萌えだけの作品ではないのだ、主人公をしっかり描写することも大事なのだという見解もあるでしょう。
それならそれで、その方向性で作り込んであれば問題ありません。
しかし、ヒロイン以外と会話する場面が多いにもかかわらず、立ち絵がヒロインにしか用意されていないことから、画面が背景にテキストだけというシーンが多いのです。
これは単純に、一つの作品として寂しさを感じてしまいます。
<評価>
炉利に対する萌えとストーリー性を両立させようとした本作。
その両面において一定の満足も得られたものの、他方でどちらも中途半端に終わってしまった印象も否めませんでした。
CG枚数とか、客観的な部分も平均を下回りますし、悪く言えば配慮の行き届いていない作品であり、作品全体としては作りが甘いとなるのでしょうね。
部分的に良いところもあるけれど、総じて、何を作りたかったのかがはっきりしない作品ということで、総合でも佳作とします。
個人的には点の伸びない作品でもありましたが、キャラとシナリオという根幹部分はしっかりとしているので、炉利好きならほぼ全員がそれなりには満足できるはずですし、安心してプレイできる作品だと思いますね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-09-25 by katan




