『キラ☆キラ』は2007年にWIN用として、OVERDRIVEから発売されました。
瀬戸口廉也さんの出世作となった作品でしたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
高鳴るリズム響けばキラキラ光る
前島鹿之助はミッション系の学校『欧美学園』に通う学生だ。
部活にも顔を出さず、受験勉強にも身を入れずにアルバイトにばかり精を出すちょっとダメな毎日を送っている。
そんな彼が、バイト先でかなり変った女の子『椎野きらり』と出会い思いがけずパンクバンドを結成してしまうところから、鹿之助の物語が始まるのであった。
バンド名は第二文芸部
昨日楽器を始めましたファッキン!
彼らは、存在感のほとんどない、もう廃部も決定してしまった『第二文芸部』の部員たちである。
最後の晴れ舞台、文化祭で目立つために立ち上がったのだ。
無謀かと思えた挑戦だが、エキセントリックな特訓を繰り返し、平和だった欧美学園にロックの騒乱を引き起こしつつも文化祭ライブを成功させてしまう。
これでもう満足。バンドは解散。
普通の学園生活に戻るはず…だった。
今って時間は取り戻せない。だから僕等は旅に出るんだ。
だけれども、最後にライブハウスで行った演奏の模様がインターネットで配信されると、彼らの元に地方のライブハウスから出演の依頼が舞い込んでしまう。
どうしよう? もう受験だよ? 家族も反対してるよ?知ったことか!
そして四人は今にも壊れそうなオンボロワゴンに楽器と夢とそれぞれの期待を積み込んで学園生活最後の冒険として長い旅に出発してしまうのであった。
「まずは名古屋だ!」
<感想>
さて、ノベル系のADVというと、どれも同じに聞こえるかもしれませんが、本作は最近では逆に珍しくなった画面全体を文字で覆うタイプ、いわゆるビジュアルノベルになります。
そして、それがある意味全てを語っているのかもしれません。
ストーリーは一見するとバンドものっぽいのですが、終盤は鬱方面に重点が移っていきます。
そのため、バンドものという部分のみを期待すると、あれってなりかねないわけでして。
むしろ鬱系であるとか、それらを全部ひっくるめた意味で青春ものであるとか、そういう風に捉えた方がすんなりと楽しめるように思います。
ラストをやや置きにいった印象があったり、途中で無駄や中弛みがあったりと決して問題がないわけではないのですが、内容的には概ね楽しめる作品だったのではないでしょうか。
ライターの瀬戸口さんには一部で濃いファンもいますが、ファンを納得させるだけの内容はあったように思います。
したがって、とにかくライターのテキストが読みたいというのであれば、プレイする価値は十分にあるのでしょう。
ただ、冒頭でシステムが全てを語ると言いましたが、ライター色がやや全面に出すぎていたのかなと思うわけでして。
テキストで全て済ませようという傾向が強く、絵や音やシステムと調和し、活かそうという姿勢や、一体感がやや欠けているように見えてしまいました。
だからなのか、個々に見るとそれなりに良いはずなのに、どうにもチグハグな印象を受けてしまい、思ったよりも楽しみ切れなかったようにも思います。
<評価>
総合では佳作とします。
瀬戸口さんは、この作品を最後に小説家に転向しました。
(※その後、またゲームに復帰しています。)
たぶん、それで正解なのだと思います。
読ませるテキストにきちんと下調べをする姿勢など、小説家として成功する要素は多いと思います。
でも、絵や音やゲーム性と連動させる方には向いていないように思いますからね。
大抵のライターは小説家崩れのようなものなのですが、何にだって例外はあります。
中には、ゲームライターとして失格の烙印を押されながら、その後に成長して、小説家として直木賞を獲った人までいますからね。
そういう方と同じ路線を狙えば良いのではないかなと思うわけで、ゲームライターとしてはあまり評価できないのだけれど、数年後小説で何か大きな賞を獲っても納得してしまうような、そんな印象を抱いた作品でしたね。
ランク:C-(佳作)

Last Updated on 2026-03-01 by katan



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