闘神都市3

2008

『闘神都市Ⅲ』は2008年にWIN用として、アリスソフトから発売されました。

『闘神都市Ⅲ』の発売。
第一報を聞いた時は、まさかっていうのが正直な所でした。

<感想>

まさかというのは、単に続編が出るのかという意味だけではありません。
何せこのシリーズは、会社が傾きかけると発売されるとか、変なジンクスというか噂がありましたからね。
だから他の続編以上に、まさかという感覚が強かったのです。

さて、今でこそアリスソフトの看板はランスシリーズってイメージかもしれませんが、少なくともPC98時代までの代表作品は間違いなく『闘神都市2』でした。
ランスシリーズはPC98時代までに6本(1~4.2)発売されていたけれど、『闘神都市2』の存在感の前には霞んで見えたものです。
ちなみに、私の個人的な評価で言うと、『闘神都市』はAA-、『闘神都市2』はAAA-となります。
94年当時にあっては、『闘神都市2』は全RPGの中でも最高の存在でした。

その続編が発売される。
これはどうしても期待せずにはいられないですよね。
古くからのゲーマーには、私と同じような人は多かったと思います。
まぁ、前作が14年前なので、若い人にはちっとも馴染みがないかもしれませんけどね。

もっとも、他方でその間の家庭用ゲーム機の発展という現実もあり、発売前から既に前作ほど高い評価は得られないだろなって思いもありました。

プレイヤーがどういう気持ちで本作に対して臨むのか、それによっても受け取る印象は大きく変わりうる。
本作はそういった作品なのだと思います。

さて、実際にプレイをしてみての感想ですが、これが何とも書きにくくって。
なぜなら、一つの項目に長所と短所が混在しているものですから。

とりあえず、グラフィックから見ていきます。
発売前からわかっていたように、3Dのモンスターはあまり良くもないです。
システム面で3Dであることを要求するなら別だけど、あえて3Dにしなければならない必然性もないですしね。

他方で1枚絵は170枚もあり、質・量共に平均的なアダルトゲームのそれをはるかに凌駕しています。
ここら辺は、アリスの面目躍如といった所でしょうか。
また、ゲーム中盤で流れるOPが、実に素晴らしかったわけでして。
このゲームの価値のほとんどは、もしかしたらここにあるのかもしれません。
ここの1シーンに限ってみるならば、文句なしに名作級ですし、2008年のベストと言っても決して過言でないでしょう。
総じてみると、グラフィック・演出関連は本作の大きな魅力でしょうね。

次にサウンド。
前作と一番異なるのはこの項目でしょうね。
何せ主題歌と音声が加わってますから。
古参ファンとして発売前は期待してなかった部分なのですが、結果としてこの部分が最も良い意味で期待を裏切られました。
上述のOPとも関連しますが、そこで流れる主題歌は凄く良かったです。
また、音声も良かったですね。
昔からクリちゃんと切り裂き君の掛け合いは好きだったんですが、音声が加わることで破壊力は一段と増しましたし。
ってか、クリちゃんの「ぱうぱう」が妙にツボだったりします。

続いて、サブキャラですね。
メインキャラはとりあえず置いといて、サブキャラには良いキャラが多かったですね。
クリちゃんと切り裂き君の掛け合いは最高だったし、アザミは途中からメインヒロインより目立ってたし。
アザミをこれ程可愛く感じるとは、想像すらしてませんでした。
熟女好きからロリ好きに宗旨替えしてしまいそうですよ。
桃花は典型的なツンデレだけど、お気に入りでした。
実力も伴ってて主人公をサポートしてくれる、そういう中身の充実した女性は好きなんでね。
兄の幻一郎はある意味最強ですねw
今後のアリス作品にも出せそうなキャラなのでは。
十六夜兄妹はどれも個性的だしまだまだ妹がいるみたいなんで、パラレル的にアリスのいろんな作品に出して欲しいです。
本作品で終わりにするのは勿体なさすぎですよ。

こうしてみると、結構魅力も多いんですよね。
ただ、微妙にゲームのメイン・本質とずれた部分が高評価な気もします。
いくら添え物が良くてもメインディッシュがイマイチでは、トータルでも印象が良いものにはなりません。
そこら辺が、この作品の辛いところなのかもしれませんね。

ということで、肝心のメインとなる部分なのですが、さきほどサブキャラが良かったと書きました。
ここで本作の魅力がキャラにあると言い切れないのは、主人公及びメインヒロインに問題があったからです。
どうにも、今風にひよったんですかね。
主人公は今風のギャルゲーの主人公みたいだし、何かアリスにしては珍しく魅力を感じません。
行動に一貫性というかポリシーみたいなのも感じられないですし・・・
メインヒロインは空気とまでは言いませんが、印象が薄すぎです。
途中で離れることも相まって、どうにも存在感がないのですよ。
完全に、変態だらけなサブキャラ達にくわれてます。

また、サブキャラに魅力的なキャラが多いとは書いたけれど、中には不満な面もありまして。
和姦ばっかなノリは、ペナルティーとしての重みを感じないのです。
ここは今風の雰囲気に迎合してしまったとも、初代へ原点回帰したともどっちとも捉えることができそうですけどね。
いずれにしろ、『闘神都市2』→『闘神都市3』の変化は、『大悪司』→『大番長』の変化と通じる面があるかと思います。
(凌辱ありなダークな展開+声なし→和姦中心のヌルイ展開+声あり)

ストーリーは、ある意味これまでの闘神都市のパターンを踏襲。
その意味で新鮮度は薄いかもだけど、こちらもお約束として期待してた面もあるので、それはそれで良しとしましょう。
2だって初代のパターンを踏襲しつつも、はるかにグレードアップしたアレンジが高評価につながったわけですしね。

だから、踏襲したこと自体は良いとした上で、問題はどれだけアレンジできたかなんです。
確かに、基本的には良いストーリーだったと思います。
ただ、『ドラゴンナイト4』の如く中盤が一番盛り上がって、ラストはそれ程でもないってのは勿体無かったですね。
前作はラストに向かって畳み掛けるように盛り上がっていっただけに、どうしてもう~んって思ってしまうのですよ。
そこら辺とも関連するのだけれど、序盤の目的意識の薄いパート(1年目)が冗長で、以後の重要なパートが駆け足気味になってしまった感があります。
構成を少し変えれば、もしかしたら化けてたのかもしれません。

戦闘・育成システムに関しては細かくは語りません。
既にあちこちでなされてますし、元々「闘神都市」シリーズはこの部分に凝ってたわけではないですしね。
ただ、前作はシンプルではあるけれどRPGの良さを凝縮していました。
雑魚を次々に屠っていきストーリーをサクサク楽しめる爽快感、それでいてボスには適度な歯ごたえ。
また、収集要素等のやりこみ要素も満載。
ストーリー重視のRPGとして全体とのバランスを考慮した場合、前作は絶妙な構成になっていたと思います。
しかし、本作には雑魚戦での爽快感はなく、かといってこれといったやりこみ要素もない。
前作にあったRPGとしての魅力が根こそぎ削られた感じでした。
とはいえ、家庭用のゲームでしばしばみられるロード地獄はないし、広大な街で迷子になるイライラはないですからね。
(個人的にダンジョンやマップは広大であるべきだけど、街を広くする意味はないと思うのです。
FF12はそれで辟易しましたし。
買い物一つに無駄に時間をかけるのって、馬鹿げてません?)
総じてみると、本作のシステムは決して長所にはなりえないけれど、決定的な短所とも言いきれないのではないでしょうか。

<評価>

まぁいろいろ書いてきましたが、かなり楽しかったですよ。
あまり期待しないで何のしがらみもなくクリアしたのなら、十分良作の範疇に入るのではないでしょうか。
ただ、前作の出来を求めて前作と比べたり、アリス=ゲーム性と考え『戦国ランス』並のゲーム性を求めてしまうと、どうしても物足りなくなってしまうだけであって。

確かに足りない面も多く、決して名作とは言えないでしょう。
でも、ノベルでないアダルトゲーム自体少ないですからね。
それでいてストーリーもキャラも演出面も水準以上って事は、それだけで希少価値があるわけでして。 そうした面は高く評価したいものです。
不作続きの2008年にあっては、本年を代表する一本と判断しても良いのではないでしょうか。

ランク:B(良作)

闘神都市III

Last Updated on 2026-10-04 by katan

コメント

タイトルとURLをコピーしました