『Fifteen ~すくうるがあるずデジタル読本~』は、1998年にWIN用としてリビドーから発売されました。
一言で表現すると、擬似インターネットブラウジングゲームってなるのでしょうか。
<感想>
本作はゲーム内に用意された擬似的なHPを巡回してキーワードを探し出し、それを使って新しい情報を得たり、秘密のページを閲覧することで教え子たちのHなCGを見ることが目的となります。
う~ん、こういうのって難しいですね。
これが発売されたのは1998年です。
インターネットは存在していましたが、97年末の段階では普及率は10%にも達していませんでしたし、まだまだ普及しきれていなくて、インターネットって何するの?って聞いてくる人も多かったです。
仮にネットにつないでても、今と異なり通信料が高くて長時間は出来なかったですしね。
そういう時代だったからこそ、こういうゲームの試みは面白いと思えるし、非常に価値があったのだと私は考えます。
でも、今じゃインターネットなんて当たり前ですよね。
今この文章を読んでいる人だって、当然利用してこれを読んでるんでしょうし。
つまり今ではほとんどの場合、本物のインターネットブラウジングの楽しさを既に知っているわけです。
そうなると、どうしても本作は稚拙な作品にしか思えないでしょう。
ゲーム内に用意されたHP数は限られていますし、本物よりもスケールが格段に劣りますからね。
今更このゲームをやるならば、実際に検索かけてエロCGでも探してる方が間違いなく楽しいです。
だから未プレイの人が今からやっても、本作の面白さは分からない場合が多いと思うのです。
そうですね、これは最先端のものを擬似的に体験させる点で、本質的にはSF作品なのでしょう。
半世紀前に携帯電話の可能性と危険を扱った小説が、今では良さを理解してもらいにくくなるのと同じで、古いSF小説とかが抱えている問題点と同じものを、本作は持っていると言えるのではないでしょうか。
さて、あらかたは語ってしまったのですが、もう一つ補足しておくべきことがあります。
何かというと、ロリ分のことです。
本作は隠されたCGを探すゲームでありますから、当然ながらこのCGの内容が重要になってきます。
興味の持てないものを必死に探そうなんて人はいないですからね。
そして肝心の探すCGですが、教師である主人公の自分の教え子なのです。
主人公は中学校の教師なので、つまりヒロインらはJCなのです。
キャラが多い上にとても可愛いので、どのCGも楽しめました。
対象がJCですから、ロリ好きな人ならきっと楽しめるのではないでしょうか。
また、マニアックなシチュエーションも多かったので、結構ツボにきた人もいたんじゃないかとも思いますし。
この辺は、前年の『放課後マニア倶楽部』の流れも受け継いでいますね。
<評価>
確かに今となっては価値は減ってしまったけれど、それでも当時は結構楽しかったわけでして。
長所だけなら、十分に名作級と言えるでしょう。
もっとも、ナラティブな体感重視の作品であり、そのためストーリーらしきストーリーはありません。
またシステムは斬新だけれど、この頃のリビドー作品らしくシステムが重く不便だったりと、欠点も多い作品ではありました。
テキストによるストーリーとシステムの快適さを重視する人とは、ハッキリ言って相性は最悪でしょうし。
個人的にもシステムの重さは結構気になったのですが、ADVで新鮮な楽しみってのは中々得られるものではないですからね。
短所を補って余りあるほどに魅力も有した作品であり、私はこれはこれで良作だと思うのですよ。
業界の活性化の観点からも、こういう変わった試みの作品はもっと評価されても良いと思いますけどね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-12-25 by katan
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