ザ・レジデンツ バッドデイ・オン・ザ・ミッドウェイ

1996

『ザ・レジデンツ バッドデイ・オン・ザ・ミッドウェイ』は、1996年にWIN用としてシナジー幾何学から発売されました。

私は海外の音楽に疎いのでよく知らなかったのですが、「ザ・レジデンツ」という謎に包まれたバンドが、70年代頃からアメリカで活躍していたそうです。

<概要>

その「ザ・レジデンツ」の行動は多岐に渡っており、次第にアーティスト集団として認知されていったようですね。

そして「ザ・レジデンツ」が1995年に制作したCD-ROMが、『BAD DAY ON THE MIDWAY』でした。
本作はその日本語版ということになります。

<感想>

ゲームのジャンルとしては、インタラクティブムービーに属します。
設定的には身に降りかかる不幸から如何に生き延びるかというもので、かなり後のPS2用の『シャドウオブザメモリーズ』あたりが、比較的似ていると言えるでしょうか。

もっとも、本作においては、設定やゲーム性はむしろ2の次なのでしょう。
説明が難しいので内容や雰囲気に関しては、動画サイトでムービーでも見てもらった方が早いのかもしれません。
本作の楽しみ方は、その雰囲気を堪能するところにあるのだと思います。
そもそもアーティスト集団が作ったCD-ROMなので、彼らの表現したかったものを理屈でなく肌で感じろってことですね。

内容的にはグロいというかキモイというか・・・
他作品では『ガラージュ』『バロック』『クーロンズゲート』等の、独特の雰囲気を持った作品が好きな人なんかだと、おそらく気に入るんじゃないかなって思います。

まぁ、かなり個性が強いので、合う合わないははっきり分かれるかもしれません。
ちなみに、私はグロいのもキモいのも基本的には好きです。
だから『ガラージュ』とかも大好きです。

ただ、ただ、どうにもキモいガキだけは苦手なようでして。
確かティミー君と言ったかな、男の子がいるのですが、何か見てるだけで嫌になってくるんですよねw

ゲームとしてはそれなりに良く出来ていて、一般的にも、オリジナル版は名作と捉えられているようです。
国内ではそもそも知っている人が少ないので何とも言えませんけれど。
とにかく設定や世界観が特殊なので、レジデンツを知らない人でも名作という人が多いです。
もちろんレジデンツファンならば、より一層楽しめるのは間違いないでしょう。

ちなみに、アニメーションやデザインを担当したジム・ラドキーは、デジタルアーティストとしても有名で、その作品はニューヨークシティー現代美術館や、東京の電通ギャラリーにも陳列されていたそうです。
ですので、当然彼のファンにも必須の作品と言えるでしょうね。

<評価>

操作性の悪さやボリュームの少なさ、ゲーム単体ではそれ程ずば抜けていないことから、いったんは名作とも考えましたが、再評価で良作とします。
レジデンツに興味のないADVファンとしては、おそらくそれが平均的な評価だと思います。

もっともこの作品に関しては、ゲームの出来云々よりも、その資料的価値に意味があるように思われます。
本作が出たのは95年なのですが、このころはアーティストたちが積極的にゲーム作りに参加していました。
本作は幸運にも日本語化された内の1本でもあり、こういうのを知ることで時代というものを感じられる気がするのです。

もちろん、アーティストが携わったからといって、必ずしも優れているわけではないでしょう。
ただ、ゲーム畑だけから集まった人と異なる感性を持っているでしょうし、ADVのグラフィックにおけるデザインセンスが最も優れていたのは、おそらくこの頃なんじゃないかなって思うわけで、その点においては少なくとも黄金期だったと言えるかと思いますね。

ランク:B(良作)

Last Updated on 2024-11-18 by katan

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