天外魔境 ZIRIA

1989

『天外魔境 ZIRIA』は1989年にPCエンジンCD-ROM2用として、ハドソンから発売されました。

CD-ROM2用として初めて発売されたRPGが本作でした。
CD-ROMを用いたゲーム自体が珍しかっただけに、そのアニメーションと音声の迫力には驚かされたものです。

<感想>

本作に関しては、CD-ROMゆえにロード時間が遅いという指摘もあります。
確かに、当時の主流であるファミコンはロムカセットだったので、ロード時間のないそれらのRPGよりは遅かったでしょう。

ただ、こういうのはその人の環境と慣れ次第で、どうにでも印象が変わるものです。
それこそ昔のPC88の頃のRPGなんてロード時間が無茶苦茶長かったわけで、そういうのを経験している人には、本作のロード時間は大して気にならなかったと思います。
同様に、PS以降からゲームを始めた世代も、ロード時間の存在には慣れているでしょう。

本作はファミコンのRPGよりは遅いですが、今のRPGと比べた場合には大して変わらなかったと思うんですよね。
(実際に測ったわけではないので断定はできかねますけど)

なので、本作のロードも欠点ではあるのでしょうが致命的ではなく、それ以上に演出面の長所の方がはるかに勝っていたと思います。
こんなRPGもあるんだねと、本当に驚きましたよ。

もっとも、戦闘は平凡だし、世界観はちょっと変わってましたが、ストーリー自体はわりと普通でした。

CD-ROMにより容量は格段に増えましたが、増えた分だけ面白くなったわけでもないんですよね。
ゲームを始めた頃は、容量が増えた分だけ面白くなるような幻想も抱いたものです。
しかし本作をやることで、それは幻想なんだと気付かされた感じでしたね。

まぁ、ストーリーや戦闘も明確な長所と感じなかっただけで、無難に手堅く作られて普通には面白かったです。
演出面という明確な特徴がある以上、間違いなく名作ではあるでしょう。

容量が増えたことでなしえたこと、容量が増えたからってすぐにはかわらないこと、要素によって様々であることを改めて認識させてくれた作品でした。
今やってどれだけ楽しめるかは分かりませんが、少なくともその資料的価値だけは決して色褪せることはないでしょうね。

ランク:A-(名作)

Last Updated on 2025-05-09 by katan

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