『帝国千戦記』は2004年にWIN用として、郎猫儿(ランマール)から発売されました。
ストーリー・ボリューム共に圧巻であり、ゼロ年代前半を代表するBLゲーの中の一つでした。
<概要>
ゲームジャンルは、詳しくは後で。
一応ADVとされることが多いので、ADV扱いでも良いのかなと。
あらすじ・・・ある巨大な帝国が滅びた。
時代がうねりを上げ、動き始めた。
各地の豪族たちは、一斉に統一国家を目指し、兵を挙げ、猛進した。
紅蓮の炎のごとく大地は焼かれ、水は枯れ、人々はなすすべもなく時代の波に呑まれていった。
やがて、強大な権力を持つ三つの一族たちが、帝国を三分し、それぞれの国を、統治することとなった。
今回の物語は、その中のまだ名もない、生まれたばかりの一つの国の話。
神童と呼ばれた青年が、歴史を変えた帝国千戦記。
<感想>
本作は女性向けの、いわゆるBLゲームになります。
本作は単独では一般向けなのですが、追加ディスクを入れることにより18禁になります。
エロ要素はアペンドで追加というのは、男性向けでは今でも非常に少ないですが、女性向けではわりと普通にありますよね。
まぁ、それが良いのか悪いのかは一概には言えないのでしょうが。
なお、現在では最初から2本が一緒になった、「ツインパック」も発売されています。
私は、BLゲーというと、原画に関しては由良さんがまっ先に思い浮かびます。
由良さんの手がけた作品としては、近年では『華アワセシリーズ』(乙女ゲー)が代表作になるでしょうし、ゼロ年代後半では『ラッキードッグ1』があります。
そしてゼロ年代前半では、やっぱりこの『帝国千戦記』となるのでしょう。
まぁ、個人的に初めて見た時のインパクトでは『冤罪』となるのですが、作品として考えた場合の代表作は本作だろうなと思います。
本作の場合、由良さんの初期の代表作というだけでなく、人によってはBLゲーの最高傑作に感じるでしょうし。
私は世間の評判ほどには高く評価してないように思いますが、それでもゼロ年代前半のBLゲーでは5本の指に入ります。
さて、その本作の魅力なのですが、まずはストーリー及びそのボリュームが挙げられます。
本作は物語のジャンル的には戦記ものになり、メインストーリーも壮大で面白いのですが、それ以上にキャラが多く、分岐やエピソードが多くて、ボリュームも非常に多くてね。
ゲームシステム面もあわせて考えると、この当時の男性向けで例えるなら・・・『大悪司』みたいな感じでしょうか。
周りがノベルゲーだらけという状況の中で、ゲーム性を有しつつも、並のノベルゲーを超える圧倒的ボリュームのシナリオもあり、存在自体に圧倒されるという感じなものですから。
おいおい、これフルコンプできるのかという、嬉しい悲鳴が出てくるタイプの作品で、こういうのは今でも女性向けでは非常に少ないでしょう。
そのスケールの大きさと並び、大きな特徴と言えるのが、やはり由良さんの描くグラフィックで、一枚絵の出来は非常に良かったですね。
ただ、開発期間が長かったからか、絵によって少し異なって見えるキャラもいましたが。
そのため、一枚だけ見ると違和感はありませんが、複数のCGを比べると、あれって思うところはありました。
それと、テキスト欄脇に顔CGが出るのは良いのですが、そこで完結してしまって、立ち絵の動きも乏しいこともあり、少しもの足りなく思うことも。
まぁ、本作をRPGやSLGと捉えるのなら、これでも構わないのでしょうが、ADVと考えた場合には不満に感じやすいってところですね。
じゃあ、本作のジャンルは何なのかですが、基本はノベルゲーなんですよね。
ただ、ノベルゲーとして読むだけではなく、合間に部隊を編成して戦闘をするパートが挟まるわけでして。
シナリオを進めるのと戦闘が交互に繰り返されますので、戦術SLGとかRPGって思う人がいても何ら不思議ではないです。
むしろ、これをADVと言い切るのも難しいでしょうし。
とはいうものの、確かに戦闘の回数こそ多いものの、システム的にはシンプルだし、難易度も高くないですからね。
ガッツリとゲームを楽しみたいって人向けの構造ではなく、ストーリーのアクセントとして機能する方が強いので、特殊ではあるけれどADVって考えた方が楽しみやすいのかなと。
戦術SLGって言うと躊躇してしまう人もいるかもしれませんが、純粋なノベルゲー以外は駄目って人を除けば、まず誰でも楽しめる作品だと思いますね。
<評価>
上記のように、ところどころで気になる点がありまして。
それで個人的な評価は少しからめになっています。
もっとも、そうした気になる部分があるにせよ、ストーリーが良くて、キャラもサブエピソードも豊富で、多くの分岐と合間に挟まれる戦闘によりゲーム性もあり、イベントCGも良い上にボリュームも群を抜いているわけですからね。
全体では名作であることは疑う余地もないですし、本作をBLゲーの最高傑作という人がいても、何ら不思議でないですよね。
本当に、よく作ったものですよ。
間違いなく、この時期を代表するBLゲーの一つでしょうね。
Last Updated on 2026-02-05 by katan
![帝国千戦記[初回限定版]](https://www.suruga-ya.jp/pics/boxart_m/145009815m.jpg)

