『euphoria』は2011年にWIN用として、CLOCKUPから発売されました。
ストーリー性+エロ。
やっぱり両方ともある作品が良いですよね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
その檻は、地獄か楽園か。
目を覚ますと、見覚えのない白い部屋にいた――
白い密室に閉じ込められたのは、主人公・高遠恵輔と6人のヒロインたち。
幼なじみの帆刈叶、クラス委員長の安藤都子、後輩の蒔羽梨香、英語教師の葵菜月と、同学年の白夜凛音、そしてクラスメイトの真中合歓。
異常な状況に混乱する彼らに、突如として ‘謎の声’ が告げる。
「これからゲームを開始します」
この部屋から脱出するためには、恵輔が ‘開錠者’ となってヒロインの一人を ‘鍵穴’ に設定し、指定された行為を行って ‘鍵を開ける’ 必要がある。
<感想>
私は抜きゲーとかエロゲーとかいう言葉を一般化することに、どうしても抵抗があるわけでして。
いや、エロや抜きに特化した作品をそう呼ぶのは全然構いませんが、エロゲだからエロあるべしとか、逆に抜きゲなんだからストーリーいらねとかって決め付けられることが、とにかく嫌なのです。
ダーク系や鬼畜陵辱系でストーリーが楽しめるものがあっても良いわけで、むしろそういうのこそアダルトゲームと言えるのでしょう。
しかし昔は結構あったのですが、近年はストーリーの楽しめる陵辱モノが皆無に近い状態になってました。
本作は、久しぶりにストーリーも楽しめる陵辱系ということで、ようやく待ち望んでいた路線のゲームが復活してきたなって感じでしたね。
さて、ストーリーとしては、目が覚めるとそこは白い密室の中で、主人公と他女性5名はその中に閉じ込められてしまいます。
「これからゲームを開始します」という放送の下、主人公らは閉鎖空間から脱出するために、ゲームという名の条件を満たしていくことになります。
このゲームというか条件が、つまるところHなわけで、主人公が誰かを選んで陵辱していくというのが、大まかな流れになります。
この陵辱部分はインモラルハードコアADVと題されているだけあって、結構マニアックです。
何せ、いきなりスカから始まりますしね。
基本的にはエログロ、鬼畜が主となるのでしょうが、他の陵辱系と比較した場合にはスカトロ分が多めだったでしょうか。
というか、2011年は何気にスカトロ大当たりの年ですよね。
もっとも、スカトロは苦手って人も多いかもしれません。
本作の場合、スカトロとかグロっぽい差分はカットできる機能もありますので、余程神経質な人以外は大丈夫な作りになっています。
ハードが好きな人にはいらない機能ですが、より多くの人が楽しめるという観点からは、システム的にも行き届いた作品でしたね。
通常の陵辱系はこれだけで終わってしまうのですが、『euphoria』は地上に出てからがある意味本番で、そこからめまぐるしく展開が変わっていきます。
ヒロインたちの過去、或いは裏の顔、そして事件の真相へと急展開していくわけで、陵辱系でストーリーの続きはどうなるのだろうと気になったのは、本当に久しぶりなのかもしれません。
冒頭にも書きましたが、求めていたのはこういう路線なんですよね。
アダルトゲームでエロ不要な萌えゲーが氾濫する方が変なのであって、本来はこういうゲームが主流でもおかしくないと思うのですよ。
路線的にはかなり好みですし、心情的には応援したくなるゲームでしたね。
ただ、その上で気になることもあるわけでして。
スカ分があったりエロの多様性はあるものの、後半はストーリー物の色彩が強くなることもあり、単純にエログロの量としては思ったほどではなかったのかなと。
開始時の委員長が一番インパクトがあったような気もしますし。
強烈なエロやグロなシーンだけを求めていたような人であれば、もう少し濃いのが欲しくなってしまうかもしれません。
それと、久しぶりに読ませる陵辱系登場ってことで興奮してましたが、設定的にはどこかで見たようなわりとありふれたものの寄せ集めなんですよね。
近年の陵辱系の中では頭一つ抜きん出たストーリーではあるのでしょうが、ストーリー重視の人がストーリーだけを求めて、それで満足できるかは疑問も残ります。
つまりはストーリーとエログロの合わせ技で一本ってな感じですので、単独の何かで一本というものではないのですよ。
だから本作にはCGのカット機能もあって苦手な人も楽しめますが、カットして楽しめるのかには疑問もあるわけです。
それと、脱出に至る過程がやや単調だったり、繰り返しが前提な作品で既読スキップの時間が長めだったりと、楽しめない時間も少し多かったわけで、その辺りも改善の余地はあったように思いますね。
<評価>
好きな路線ではありますし十分に楽しめましたし応援したくもあるのですが、名作というには久しぶりってだけでは駄目なんで、全盛期のブサイク並のインパクトやもう一押しが欲しかったため、総合ではギリギリ良作としておきたいと思います。
そういうわけで、個人的には良作止まりではあったのですが、こういう路線の作品はもっともっと増えて欲しいですからね。
作品単位ではなくブランド単位で考えるならば、CLOCKUPは今後も期待したいブランドと言えるように思いますね。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-12-13 by katan
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