『Super D.P.S.』は1992年にPC98用として、アリスソフトから発売されました。
PC98のアダルトゲーム初の256色対応作品になります。
<概要>
PC98時代には多数のオムニバス形式のADVがあったのですが、そのブームの中心的存在がアリスのD.P.S.シリーズだったのかなと思っています。
まぁ、単に自分がアリスファンだったからかもしれませんので、異論は認めますけれど。
そしてシリーズは89年の初代から始まり、この『Super D.P.S.』が5作目になるはずです。
因みにD.P.S.とは「Dream Program System」の略で、カートリッジを取り替えることで様々な物語を体験できるという設定でした。
<グラフィック>
この作品に関しては、まずここから入らなければならないのかなと。
そもそも、今回言いたいことは、実はここだけだったりしますし。
上記のように本作は、PC98におけるアダルトゲームの初の256色対応作品になります。
90年代半ばまでのアダルトゲームのメインはPC98であり、そのためにアダルトゲーム初の256色ゲームと誤解されることがありますが、正確にはちょっと違います。
どういうことかと言うと、PCは何もPC98だけってことではないのです。
FM-TOWNSやX68000では256色表示は当たり前の話であり、何も特別なことではありません。
これらの機種ではオリジナルでなく移植版が発売されるケースが多く、またアダルトゲーマーの所持者は少なかったでしょうから、どうしてもマイナーになりがちだったんですけどね。
でも移植版を含めれば、256色のアダルトゲームが既に幾つもあったことも確かで、本作が初の256色ということではないのです。
あくまでも、当時の主流機種だったPC98で、オリジナル作品として初めて対応させたってだけにすぎません。
加えて、256色対応なのであって、256色専用ではありません。
普通に16色のPC98でも遊ぶことはできました。
その点が、後の256色専用である『夢幻泡影』との違いでもあります。
まぁ256色だと綺麗になることも確実なので、これを機に256色の環境を整えたって人も結構いたかもしれませんけどね。
PC98時代までのアリスは結構ユーザーにハードの買い替えを迫ることがあって、本作もまたその中の一本といえるのでしょう。
余談だけど、今は洋ゲーでもやらない限り、頻繁にPCを替える必要はありません。
PCの価格が安くなっただけでなく、何年も同じPCで遊べますから。
エロゲのためにPCをグレードアップさせる光景がなくなったのも、
一つの時代の変化なのでしょうね・・・
したがって、厳密に言えば以上のようになるのですが、いずれにしろ主流であるPC98で、ついにアダルトゲームが256色で楽しめる時代になったわけですから、インパクトがあったことは間違いないでしょうね。
<ストーリー他>
まずゲームデザインなのですが、上記のようにオムニバス形式のADVです。
個々の作品はコマンド選択式になっており、形式的には際立った特徴はないのかなと。
もっともコマンドの組み合わせ方などにアリスらしい上手さが見て取れ、だからこそファンもついたと言えるのでしょう。
ストーリーは3本収録されています。
『マリアとカンパン』は、ランスシリーズのマリアが登場。
マリアの作ったカンパンというロボットとマリアのお話になります。
『うれしたのし海賊稼業』は、宇宙を大暴れする女海賊カメリアが主人公のSFもの。
金銀財宝だけでなく女の子にまで手を出すわけで、つまりはレズですね。
何となくこの頃のアリスの得意ジャンルが詰まった印象があるのですが、そう思うのは私だけかな?
最後の一つは『遠野の森』。
遠野の森と呼ばれる秘境で迷子になってしまった男女の物語。
男性の方は真面目な性格と妙な性少年という性格のどちらかを選べるのだけど、こういう性格や性別をかえることで同じシチュを2度楽しませようというのも、この頃のアリスの特徴と言えるでしょうね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-08-29 by katan
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