『さよならの向こう側』は1997年にPC98用として、フォスターから発売されました。
餅は餅屋に任せておけってことなのかなぁ・・・
でも、これはこれで味わいはあったかな。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
いきなりヒロインとHをして、主人公がそのヒロインと結婚するところから始まる本作。
しかし、その新妻も事故で他界してしまいます。
紆余曲折の末、長女であった妻の妹ら3人と一緒に住み、新しい生活を迎えるところから本編が始まります。
<感想>
なんていうのかな、あまり出来の良くないトレンディードラマを、アダルトゲームでやってみましたって感じの作品です。
フォスターは、どっちかというと、いわゆる抜きゲ―と呼ばれるH重視の作品を得意としていました。
本作も結局は義妹ら3人とHしてしまうのだけれど、フォスターにしてはエロ分は控えめであり、ストーリーの比重が非常に高くなっています。
そのため本作は、一般的にいうところの、いわゆるシナリオゲーとなるのでしょう。
しかし、元々ストーリーに定評のあるブランドでもないので、粗を探せばいろいろ出てくるような出来になったと。
だからまぁ、エロ重視の人にも、ストーリー重視の人にも、おすすめしにくい作品ではあるのでしょう。
従来からのフォスターファンとかだと、こんなの作る暇があるなら、エロエロなの作れよって思ったかもしれませんしね。
ただね、本作が出たのは1997年のことでして。
この年は、PC98からWIN95への移行期だったのだけれど、同時に恋愛ゲーの流行った時期でもありました。
恋愛というのは、本来は幅広いはずなのですが、結局WINゲーで増えていったのは、高校生を主人公にした恋愛ゲーばかりです。
まぁ、その状況が今でも続いているんですけどね・・・
他方で、この時期にPC98から出るアダルトゲームなんてのは、どこかしら主流から外れた、個性のある作品ばかりでもありました。
本作も、広い意味では恋愛ものとなるのでしょうが、主人公は次女の会社で右腕として働く社会人であり、イベントも会社でのトラブル関連とかなのです。
もちろん、流行していた萌えなどとは無縁です。
そういう意味では、テンプレ的な学園恋愛ものとは一歩離れた、違う方向性の恋愛ものを楽しめたわけでして。
伏線とか放置しているものだから、終わった後では文句も出てくるのだけれど、途中まではわりと一気に楽しめたこともまた事実なのでしょう。
プレイ後すぐに感想を書いていたら、ふざけんな、金返せとか言い出していたかもしれないけれど、今となっては、これはこれでそれなりには楽しめたのかなと。
余談ですが、本作は先にPC98版が発売されていますが、フォスターはWIN版への移植に積極的なところでしたので、数か月後にはWIN版が発売されています。
CDサイズのパッケージは、今だと小さくて埋もれやすいのですが、この頃はこのサイズの作品の数が少なくて、それでいて店とかでは専用の棚を作り始めていたこともあって、フォスターのこの時期のWIN版はとにかく目立った印象があります。
<評価>
この内容で、舞台が学園恋愛モノであったならば、間違いなく凡作以下だったでしょう。
しかし、絶対数の少ない社会人モノということ、とりあえず一気にプレイし終えてしまうくらいは楽しめたということで、ギリギリ佳作としておきます。
PC98時代というのは、実質的には97年まででして。
97年のアダルトゲームを振り返ると、わりと大人が主人公の作品も印象に残っているように思います。
もちろん、98年以降も、大人が主人公の作品はあるのだけれど、その割合や印象はグッとさがってしまいます。
PC98時代とWIN以降では、アダルトゲームもいろいろかわっているのだけれど、こうした要素も、その中の一つと言えるのでしょうね。
ランク:C-(佳作)
Last Updated on 2024-12-10 by katan
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