サフィズムの舷窓

2001

『サフィズムの舷窓』は2001年にWIN用として、Liar Softから発売されました。

花とゆめコミックスのようなパッケージが印象的なレズゲーでした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
具体的にはマップ上から移動先を選ぶタイプになります。

商品説明・・・
超大型学園船を舞台に、レイプ犯の嫌疑をかけられた主人公が、親友と共に真犯人を探し出していく、耽美な愛とギャグ満載の推理AVG。
舞台となる巨大学園船に乗ることが許されるのが女性限定のため、登場人物は全て女性。
そうしたことからセックス描写は女性同士、要するに“レズ”となり、耽美で百合な展開になる。
プレイヤーはレイプ犯の嫌疑をかけられた主人公に扮し、広大な船内を歩き回りながら証拠や証言を集め、真犯人を探していく。
期間は三週間、もし真犯人を発見できなければ退学処分され、船を降ろされてしまう。
はたして、主人公は真犯人を探し出し、平穏な学園生活に戻ることが出来るのか……!?

<感想>

今でも個性的な作品の多いライアーソフトですが、当時は代表作の『行殺☆新選組』のように、ライアーと言えば馬鹿ゲーという印象が今以上に強かったものです。
そんな中に本作が出てきたので、少々びっくりしましたっけ。
まぁ、パッケージが花とゆめコミックスの漫画本のパロディであり、OPが世界名作劇場のパロディですからね。
その時点で十分に他とはずれているのですけれど。

驚いたといえば、初期のライアーは初回特典がバグと言われるブランドでしたので、まともに動作するだけでも驚きでした。
いや、厳密には本作にも少しはバグがあったようですが、これまでのような致命的なものではないので、少々のバグならバグのうちには入りませんw

さて、内容は「探偵」ものに「バカゲー」テイストと、「レズ」を掛け合わせた物になります。
たぶん、事前にどういう情報を得て何を期待したかでも印象は変わるのでしょう。
それまでのライアーソフトの作品を想像していると、本作はバケゲー分が不足した感じであり、逆に思いのほかストーリーがしっかりしていると感じるでしょう。
他方で探偵ものとしてストーリーを期待してプレイすると、思ったよりバカゲーっぽいなと感じると思います。
いつものライアーっぽさを残しつつもストーリーもそれなりに楽しめますので、個人的にも一定の満足はできたのですが、バカゲーとしては過去作に劣り、ストーリー物としても他所の有名作ほどでないため、この両面に関しては全体的に特徴の薄い作品に思えました。

もっとも本作には、レズというもう一つの特徴があります。PC88及びPC98時代にはレズゲーも定番ジャンルだったのですが、WINDOWSの時代に入ってから恋愛ものが増えていったあおりからか、レズゲーは極端に減ったように思います。
本作が出たとき、周りのゲームより異端に見えましたからね。
それだけジャンル的には衰退していたのでしょう。
そんな時期に発売されただけに、この時期のレズゲーと言えば本作の名がすぐ挙がるくらい有名になったのでしょう。

<評価>

本作の主人公は性別こそ女なものの、中身は男のようなものですからね。
レズと言ってもいろいろありますし、こういうレズが苦手な場合もあるとは思いますが、一応はレズゲーが好きならやって損のない作品といえるでしょう。
特にゼロ年代前半を代表する作品であるだけに、古典的有名作を経験したい人ならやっておくべきだと思います。

個人的には全体的にどうも薄く感じたのと、グラフィックに魅力を感じられなかったので佳作としておきます。

ランク:C-(佳作)


ダウンロード版
サフィズムの舷窓 dl

Last Updated on 2025-02-24 by katan

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