さくらむすび

2005

『さくらむすび』は2005年にWIN用として、CUFFSから発売されました。

CUFFSブランドのデビュー作となる作品でした。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・僕には、両親がいない。
そのことに気づいたのは、物心ついてしばらく経ってからのことだった。
僕の側には桜がいて紅葉がいて、養ってくれる大人たちもいて。
それで、何もおかしいことなんてない。そう思っていた。
だから両親が事故で他界しているのだ、ということを理解した際も、特に衝撃を受けたという記憶がない。どうしたって、僕にとっての両親は、ここまで僕を育ててくれた二人でしかありえなかったから。
けれども…どうして僕と桜が別々の家に引き取られたのか。
そのことだけは、とても疑問に思っていた。
子供を一人養うということがどれだけ困難であるか。
当時は、それを想像することすらできなくて…
幼い日の僕たちにとって、それはただ理不尽な話でしかありえなかった。
どうして兄妹が離れて暮らさなければいけないのか。
この世界には神様だとか魔法だとか、何かしら目に見えない大きな力があって。
それが僕たちから両親を奪い、そして今度は妹までをも奪おうとしているんじゃないか?
そんな幼い考えに囚われていた、あの頃。
僕は確かに子供で…自分一人ではなんにもできなくて…
ただ、桜の実の兄であること。それが、幼い僕の精一杯だった。
だから――早く大人になって、僕が桜を守るんだ、と…
僕だけはずっと桜の側にいてあげるんだ、と…
あれから、ずいぶんな時が流れ数ヶ月後には卒業し、真剣に将来を見据えなければならないこの時になってもしかし僕は、未だ子供のまま――
いつかの幼い誓いを、果たすことができずにいる

<感想>

ゲームジャンルはノベルゲーなのですが、画面全体をテキストで覆うタイプになります。
☆画野朗さんの絵は好きで、だから作品が出ると気になってしまうのだけれど、何でいつもテキストが邪魔するのかと思ってしまいます。
シナリオや作品の性質上、ビジュアルノベルタイプが合う作品もありますが、本作におけるテキストの性質や一枚絵の少なさなどからは、通常のADV形式の方が合っているように思うのですけどね。
何で、こんな古臭い形式にこだわっているのかと思ってしまいます。

テキストは一文だけを切り取ってみると良い感じなのだけれど、心理描写ばかりでストーリーは進まないし、無駄にボリュームだけ増やそうとしている感じで、これはこれで水増しだよなと思ってしまいます。
ミドルプライスの作品としては十分すぎるボリュームがあるのですが、ボリュームが多ければ良いってものではなく、もっと削っても良かったのかなと。
読んでいてメリハリに欠けるものだから、どうしても眠くなってしまう人が出てきてしまうのでしょう。

原画とライターの組み合わせとしては、最初の『Canvas』は楽しかったんだよな~
その後の作品としては、『Garden』も未完故にどれだけ叩かれても仕方ないけど、途中までのシナリオは割と楽しめたわけで。
これら作品には音声があるので、このライターのテキストでも、まだ音声があれば少しは楽しめるのでしょう。
しかし本作には音声がないですし、テキストも絵を活かそうという感じでもないので、純粋にテキストだけでの勝負となってしまい、余計にも粗が目立ってしまうのだと思います。

また、音声もなく純粋にテキストで読ませることで勝負する作品だけに、快適な読みさすさにも気を配ってほしいところ、システム周りも貧弱でしたので、それが読みにくさを増長させているのでしょうね。

ストーリーも、エロゲによくあるような設定で、それをくどくど扱うから嫌な部分だけが更に目だってしまったのかなと。
まぁこの辺は好みではあると思いますけどね。
ほんわかした雰囲気の中にも毒があって、そこが良いという人の気持ちも分かるし、逆に萌えやシリアスに徹しきれていない中途半端な作品に見えるってのも、それも分かりますしね。

個人的には、どうなんだろうな~
☆画野朗さんのほんわかした雰囲気が好きだから、その優しい雰囲気に徹した作品をやりたかったかな。
トノイケダイスケさんのシナリオにしても、そもそも単にキャラゲーだけを作るって人ではないので、もっと萌えとは切り離された絵で一度見てみたいと思うし。
どうも二人の組み合わせが、自分にはしっくりこないのでしょうね。

<評価>

古いシステムはそのままに、エロゲの悪い部分だけ発売時における今風に変化させたような作品で、何とも残念でした。

絵が良いだけに期待したくなるものの、『Canvas』以降は駄目になっていくだけのような。
余談ですが、以後も作品は発売されていて、『Garden』はわりと楽しめていたことから、あれがきちんと完成していれば良かったのになと、つくづく思ってしまいますね。

ランク:D-(凡作)


Last Updated on 2026-02-14 by katan

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