『Papetura』は2021年にsteam用として発売されました。
今は他機種からも発売されています。
神ゲーならぬ「紙ゲー」ということで、唯一無二の非常に個性のある作品でしたね。
<概要>
Papetura は全て紙で作られたパズルアドベンチャーゲームである。
Floex氏が担当した雰囲気のある音楽で、光と影に包まれたミステリアスな世界観が生み出される。
ストーリー
Papeturaのお話は、「花の牢」に閉じこもったパペから始まる。
牢屋を抜け出したパペはチュラと出会い、一緒に「紙の世界」に害をもたらすモンスターたちに立ち向かう!
注目ポイント
独特な体験をお届けするポイント&クリックアドベンチャーゲーム
ゲームの全てが手作りで紙からできています!
世界そのものや変わったモンスターと小さな虫たちも全て紙でできている!
世界観に伴う雰囲気作りの音楽はFloex(Tomas Dvorak)が担当。
パズルがストーリーと世界観の一部である。
ストーリーは全て「言葉を使わず」アニメーションと効果音で語られます。
<感想>
本作はポイント&クリック式ADVとなるのでしょうが、典型的なP&C式ADVとは少し異なっていて、『サモロスト』シリーズや『ボタニキュラ』といった作品と、同じ系統の作品といえます。
具体的には、通常のP&C式ADVとは異なり、本作にはテキストがありません。
グラフィックやサウンドから、世界観を楽しむことが主となります。
そのような作品の場合、ひと昔前であれば、複雑なパズル要素が搭載されたMYST系ADVとなっていたのでしょうが、本作にはMYST系ADVのような複雑なパズルはありません。
ちょっとしたパズルをこなしながら、世界観を堪能する作品となるのです。
この手の作品には言語の壁がありません。
そのため、比較的容易に世界中で販売することができるというメリットがあります。
しかし、MYST系ADVのようなゲームとしての歯応えはなく、他方で、P&C式ADVのような濃いストーリー性もないことから、よほど上手く作らないと、中途半端な出来の作品になってしまいます。
そして面白くなるかどうかは、ストーリーも謎解きも気にならなくなるくらいの、独自の世界観や雰囲気を作れたか否かにかかってきます。
本作のグラフィックは、他の作品と異なり、紙細工で作られたミニチュアを取り込んで制作されています。
だから、紙ゲーといえるわけですね。
昔の作品だと、たとえば『クレイマン・クレイマン』という粘土細工を使った作品がありましたが、本作のような紙細工の作品というのは、非常に珍しいのではないでしょうか。
もちろん、単に珍しいだけではなく、独特の雰囲気を作り出すことに成功しており、本作の試みは上手くいっていたと思います。
<評価>
サモロスト系の作品が好きならば、ぜひともやってみてもらいたい作品といえるでしょう。
単に世界観が良いというだけならば、良作止まりとしていたのでしょうが、紙細工でミニチュアを作成したという唯一無二の個性を重視して、総合でも名作と考えます。
ランク:A-(名作)
Last Updated on 2024-08-06 by katan


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