とある夫婦の返済計画

2021

『とある夫婦の返済計画』は、2021年にWIN用として、らすこうから発売されました。

らすこうの「とある」シリーズは大好きなのですが、今回も、らすこうらしい作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
もっとも、スケジュールを組んで進めていきますので、見た目は育成SLGっぽくもあります。

あらすじ・・・
夫、松乃也行はリストラにあって今はバイト生活中…。
親の遺産として数年前に一軒家を譲り受けるが、生活自体は余裕はあまりなく、妻の美琴もバイトを検討中…。
そんな中、誘われた競馬にハマってしまい、福田富雄に借金をしてしまう。
福田は最近アレの調子が良くない事もあり、この借金を「性欲の改善」に利用できないか?…と考えるのであった…。

1週間ごとに、也行視点の「也行篇」から時間を遡って開始される「返済篇」を繰り返す作品。
そしてメッセージツール「LIME」を覗く事が出来る「DEVAGAME」を実装

<感想>

良くも悪くも、「らすこう」の作品っぽい作品と言えるでしょう。
期待を裏切らない出来ですので、過去作が楽しめた人であれば、本作も高い確率で楽しめるように思います。

もちろん、過去作と異なる部分もあります。
本作は、いわゆるNTR(寝取られ)ゲーになります。
もっとも、今回のヒロインは、間男との関係を持つことに対して、借金返済のためと最初から割り切っていますので、過去作のように嫌がるヒロインを無理やりという部分が弱いです。
本作は本作で味はあるのですが、上記の点を強く求めると、過去作よりインパクトが弱く感じてしまうかもしれません。

ゲームデザインについて、本作では1週間ごとに、也行視点の「也行篇」と時間を遡って開始される「返済篇」とが、交互に繰り返されます。
寝取られる男性視点と、寝取る男性視点を交互に進めるという手法は、NTR系の作品では時々見られる手法ですので、こういう手法が好きな人であれば問題ないのでしょう。
私はこういう強制的にぶつ切りにされる手法は、気持ちが削がれてしまいあまり好きではないので、ちょっと残念ではありました。

また、もともと「DEVAGAME」というシステムが、このシリーズの特徴でした。
しかし、このシステムの発展は難しいと考えたのか、最近の作品では「DEVAGAME」を発展させるのではなく、別の観点からのゲーム性の向上を図るようになっていきます。
具体的には、スケジューラ管理をするシステムを取り入れたのが、『とある母親の過ち~縁その後篇~』でした。
『とある母親の過ち~縁その後篇~』も面白い作品でしたが、このスケジューラ管理が結構難しく面倒でもあり、特定のイベントがなかなか見られなかったりもしました。
本作は、その辺もふまえたのか、『縁その後篇』と同じようにスケジューラ管理のシステムを入れつつも、難易度を下げてきました。
これにより、誰でもイベントが見やすくなったと思います。

<評価>

これと言って特に新しい魅力はなかったように思いますが、シリーズの持つ魅力をきちんと継承しつつ、最低限のゲーム性を維持しながらも、難易度を下げて誰でも遊びやすくした作品といえるでしょうか。
端的にいうとこのサークルらしさをコンパクトに纏めた作品だと思います。

名作といえるような要素はないものの、個人的には十分楽しめたので、ギリギリ良作とします。
ファンならプレイして損はないでしょうが、このシリーズの未経験者は、本作よりも、まずは過去作からプレイしてみた方が良いと思いますね。

ランク:B-(良作)


Last Updated on 2024-06-17 by katan

コメント

タイトルとURLをコピーしました