Natural Another One 2nd -Belladonna-

2005

『Natural Another One 2nd -Belladonna-』は2005年にWIN用として、DreamSoftから発売されました。

フェアリーテールの人気シリーズである『Natural』シリーズの外伝であり、シリーズ最終作になります。

<概要>

ゲームジャンルはノベル系ADVになります。

あらすじ・・・
風早草平(主人公)に舞い込んだ依頼は、巨大企業体、八千草グループのオーナー、故八千草隆三の妻である八千草樹を説得し、遺産相続を放棄させることだった。
樹は、数年前、草平の元恋人でもあった。
依頼人は、隆三の長男であり、草平が通う大学の理事でもある八千草鉄男。
成功報酬は破格の10億円。手段は問わないというものだった。
草平は、その依頼を引き受け、彼女の住む古い洋館「洋花楼」に向かうが……。

作品概要・・・
『Natural Another One』の続編が登場。
1998年リリースの『Natural-身も心も-』から始まる「Natural」シリーズは「自然な愛の形」をテーマとし、プレイヤーの行動によってはヒロインとの純愛を楽しめたり、過激な淫欲に溺れることもできることが特徴の恋愛アドベンチャーだ。
本作もそうしたシリーズの特徴を継承しているが、その雰囲気は異なり、非常にダークでオカルトテイストの強い作品になっている。
重厚なストーリーは幾重にも分岐し、エンディングも数多く用意されているなど、やり応えも十分。
またエロスシーンは、主人公がサディストということもあって、SMチックなプレイがほとんどだが、それが純愛系とダーク系の二系統があり、こちらもバリエーションに富んだセックスが存分に楽しめる。
はたしてヒロインたちと愛を育むのか、それとも淫欲に溺れるのか……、すべては貴方次第。

<naturalシリーズ>

純愛と調教の融合を図ったnaturalシリーズ。
本作もその流れを受け継いだ作品で、そのベースには純愛と調教が置かれています。
少し説明しますと、『Natural ~身も心も~』は1998年に発売され、純愛と調教の融合という新しい方向性が受け、熱狂的なファンを生みました。

続編である『Natural2 -DUO-』(2000年)は、ブランドの看板タイトルとして、同年のエロゲの中でも最大クラスの注目作に成長しました。

ただ、次の『Natural Another One』が外伝としてミドルクラスの小粒な作品となり、発売元もフェアリーテールでなくなったことから、ユーザー層の入れ替えも相まって、ユーザー離れが生まれてしまったように思います。

そのため、『Natural2 -DUO-』の時と比べると、本作に対する注目度は大分下がっていたように思います。
もっとも、本作も外伝ではあるものの、前作と異なりフルプライスに戻ったということで、期待していた従来からのファンは少なからずいたと思います。

なお、シリーズ各作品につながりはありませんので、本作からのプレイでまったく支障はありません。

<感想>

本作も、純愛と調教というシリーズの特徴は受け継がれています。
また、今回は館が舞台ということで館ものとしての側面も有していますし、他にもサスペンスやスプラッタな側面を有するなど、様々な要素が取り入れられています。

こういう何でもありな大作路線は、個人的には、とても好きだったりします。
昔は結構、こういうタイプの作品があったんですけどね。
それも2001年ごろまででしょうか。
以後はとんと見かけなくなりましたからね。
それだけに余計にも嬉しくあったりします。

もちろん、ただ詰め込まれているだけでなく、本作は、題材に見合ったボリュームも用意されています。
グラフィックも高レベルですし、音声に合わせて口パクもありますしね。
そもそもタイトル画面のバラが舞い散るところからして、とても雰囲気が出ています。

ここまでならとても素晴らしい作品にみえますが、中々そう上手くもいかないわけでして。
つまり、全般的にストーリーが薄いのです。
確かにいろんな要素が詰め込まれてはいるのですが、1つ1つが若干中途半端に終わってしまった感じでした。

それと、大作路線という方向性自体も時代の流れと逆行していましたが、システム面も逆行していました。
本作はノベル系のADVなのですが、選択肢の数が非常に多かったのです。
これは最近の人には特に嫌われそうですので、今からプレイする場合は若干の注意が必要かもしれません。

<評価>

基本的には良く出来ていますし、これといった欠点もない作品でもあります。
外伝的立場とはいえ、naturalシリーズの集大成的作品でもあるでしょうね。
しかし、他方で逆にこれといった明確な長所のない作品でもありました。
そういうわけで、総合的には良作としておきます。

結果的に、シリーズ作品としては、本作が最後になりました。
時代の流れに合わなくなっていったと思いますので、それは仕方ないかもしれません。
ただ、個人的な想いを語るならば、本作はフルプライスの作品ですから、外伝扱いではなくナンバリングタイトルとして、3として発売してほしかったですね。
そして、2004年に発売してほしかった。
2004年は、90年代から活躍していたクリエイターや作品の続編等が集まった年であり、90年代までのアダルトゲームが好きな人にとって、最後に盛り上がった年です。
その盛り上がりの中に、本作を入れてほしかったなと思うのです。

ランク:B-(良作)


Natural Another One 2nd

Last Updated on 2024-07-19 by katan

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