『何度目かのはじめまして』は2025年にWIN用として、Purple softwareから発売されました。
シナリオにさかき傘さんを迎え、パープルが制作したループモノになります。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
空虚な毎日を生きる主人公、喜納夢斗。
中途半端な大学を卒業し、中途半端な企業に就職し、中途半端な日々に、なにか足りない気がしていた。
だがそんな日常は、ラプラスという名の魔に触れたことで全てが奪い去られる。
気がつけば夢斗は13年前に戻っていた。
見知った友人、見知った学園、見知った生活。
「この世界を書き直せば、俺の人生も何か変わるんじゃ……?」
懐かしくも楽しい学生の日々を謳歌する夢斗。
だがそこには、記憶にはない少女が紛れ込んでいて……。
<感想>
原画が克さん、シナリオがさかき傘さん、制作がパープル、内容もミステリーまじりのループモノということで、最低限の水準は守ったうえで、そつなくまとめられているので、誰がプレイしても、それなりに楽しめるのかなと思います。
そのうえで、個人気に気になったことについて少し触れておきます。
まず、グラフィックですね。
相変わらず、克さんの描くキャラは可愛くて良いですね。
ただ、本作がストーリー重視のミドルプライスの作品という構造の関係もあり、可愛い女の子たち目当てという観点からは、物足りなく感じてしまうでしょう。
克さんの描くヒロイン目当てであれば、他の作品の方が良いと思います。
仮に、キャラは良いとしても、グラフィック全般で考えた場合、必ずしも長所とはいえないのでしょう。
というのも、本作がミドルプライスであることをふまえても、1枚絵の数が少ないです。
また、目パチ口パク等で丁寧に仕上げているわけでもないですし、これといった演出があるわけでもありません。
数年前のパープルといえば、演出が凄いという印象がありましたが、ここ最近の作品を見ていると、その面影もなくなったかのようです。
少なくとも、数年前の作品よりも退化しているようにしかみえません。
パープル作品に一番期待していた部分だけに、ここは非常に残念です。
ストーリーについては、そつなくまとめられてはいると思います。
ただ、主人公の言動等、設定がきちんと活かせているようにはみえません。
目新しい要素があるわけでもなく、良くも悪くも無難な印象を受けます。
制作する人間というのは、0から1を生み出すことが得意な人もいれば、1を100に育てる方が得意という人もいるのでしょう。
そして、私のさかき傘さんに対する印象は、完全に後者になります。
さかきさんは、過去に有名作品の続編を手掛け、それらが評価された実績があります。
特にEVEシリーズの続編なんて、これまでに多くの有名無名のライターが挑み、撃沈してきました。
そんなシリーズの続編を担当し、熱狂的なファンを納得させてきたのですから、それは大したものです。
しかしながら、完全オリジナル作品となると、私にはどれもいまいちに感じてしまうわけでして。
毎回期待はするのですが、今回もその印象を払しょくするには至りませんでした。
<評価>
無難にまとめられた作品だと思いますが、これといえる要素がなく、あえてプレイするまでもなかったかなということから、総合では凡作とします。
パープルは、一時期は最も新作に期待をするブランドにまで成長していったのですが、昨年今年とガッカリすることが多く、それ以上に、次作に期待したくなる要素もなくなっていったことが、個人的にはとても寂しく感じてしまいますね。
ランク:D(凡作)

Last Updated on 2025-11-04 by katan


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