『MISCHIF (ミスチフ)』は1992年にPC98用として、ベースメントから発売されました。
当時としてはまだ珍しい、個別EDのある作品でした。
<概要>
主人公のアンフェルは、魔界に住む魔族であり、有力な公爵の息子です。
ある時、父から、人間界に赴き、相応しい女性を見つけて結婚せよと命じられてしまいます。
アンフェルは、使い魔のリストアップした6人の中から1人を選び、花嫁に迎えることになります。
<グラフィック>
本作の原画は、しらとりれいこさんになります。
リハウスのあれとか、検索すると紛らわしいのが一杯出てきますが、『きゃんきゃんバニースピリッツ』や『卒業写真/美姫』等、アイデスの作品を複数担当していたり、当時はいろんな作品の原画を手掛けていた方ですね。
何より可愛い絵柄ですので、好きな人も多かったかと思います。
私自身も、その一人になりますね。
<ゲームデザイン>
本作は、通常部分とHパートでゲームシステムがかわります。
通常部分は、普通のコマンド選択式ADVになります。
他方、ヒロインとのHシーンでは、アイコン選択式になります。
具体的には、「もむ」とか「かむ」等のアイコンを選び、それからヒロインの身体の部位をクリックすることになります。
こういうタイプの作品、具体的には、Hシーンでヒロインの身体をクリックしまくる作品は、PC98時代までは、主流ではないものの、わりと見かけましたよね。
正直なところ、私はHシーンは普通に読ませてくれよと思ってしまうので、あまりHシーンでのアイコン選択式は好きではありません。
しかし、当時はこういう作品も結構ありましたので、それなりに需要はあったのだと思います。
まぁ、サクサク進むのであれば、私も嫌いではないのですが、難易度の高い作品も多かったですし、実際、本作も結構難易度が高く、そうなるとどうしてもイライラの方が強くなってしまうんですよね。
<感想>
本作は、ヒロインと会話をして、Hをするということで、広い意味では、ナンパゲーに含まれてくるタイプの作品なのでしょう。
ストーリー自体は、良くも悪くもナンパゲーだなって感じです。
ただ、一つ特徴をあげるとするならば、本作がマルチエンディングということなのでしょう。
マルチエンディングのADV自体は珍しくないかもですが、本作はヒロインを1人選ぶということで、つまりはヒロインの個別ENDのある作品なのです。
ヒロインごとの個別ENDなんて、今となっては当たり前ですが、エロゲにおいては、最初から当たり前だったわけではありません。
初めて個別ENDが登場したのは、92年の『KISS』と言われております。
本作は、『KISS』より後の発売ですので、初めてという資料的価値やインパクトはありません。
しかし、同じ92年の作品ですから、個別ENDが非常に珍しかった時期の作品であるとはいえるのでしょう。
<評価>
本作の持つ上記の特徴は、今となっては当たり前ですから、仮に事前情報なしに今から新規にプレイしたとしても、本作の価値に気付くことはできないのでしょう。
しかし、作品の評価は、発売当時の状況により判断されるべきです。
本作は初めてではないにしても、まだ珍しい時期の作品であること、グラフィックも良かったこと等もふまえて、総合ではギリギリ良作とします。
ランク:B-(良作)
Last Updated on 2024-08-25 by katan
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