『見上げてごらん、夜空の星を』は2015年にWIN用として、PULLTOPから発売されました。
天文部を題材にした本作も、演出の良さが際立っていましたね。
<概要>
ゲームジャンルはノベル系ADVになります。
あらすじ・・・
どこへでも行けるって思ってた。
宇宙の謎を全て解き明かすことだって、手を伸ばせば、あの星を掴むことだってできる、そう思ってた――
子供の頃、幼なじみたちと毎晩のように星を観ていた宙見 暁斗。
天体望遠鏡の先に浮かぶ無数の光に、胸を躍らせていた。
それはまるで、銀河を旅するような日々だった。
だがしかし、成長した暁斗は『星を観ない天文部員』と呼ばれるようになっていた。
やめてしまったのだ、夜空を見上げることを。
そんな彼のもとへ、『むつらぼしの会』への参加要請がくる。
暁斗は、断るべく会いに行くが、そこで思いがけない再会をする。
どこか遠くへ引っ越していったはずの幼なじみ、帚星 ひかりがいたのだ。
いつも傍にいてくれた、もう一人の幼なじみ、天ノ川 沙夜。
むつらぼしの会復活を望む他校の先輩、白鳥 織姫。
そして、暁斗を慕う後輩の日下部 ころな。
別れと再会、新しい出逢いを経て、再び夜空を見上げるようになった暁斗は、取り戻していく。
もう二度と戻らないと思っていた、大切な想いの数々を。
そして知っていく。未だ出逢ったことのなかった、特別な夜を。
「さあ、銀河の謎を解き明かすべく、次なる目的地へ向かおう!」
仲間たちと宙を見上げ、星々を巡りゆく青春の日々が、また始まる。
<感想>
元々このブランドのファンというでもなかったのですが、『この大空に、翼をひろげて』(ころげて)をプレイして、それ以降気になりだしたんですよね。
まぁ、「ころげて」そのものに関しては、設定面で気になった部分もあり、今読み返してみると、記事ではわりと辛口になっています。
でも、それは別の作品ですぐに解消できるものであるし、他方で、このブランドの持つ演出の良さというのは、他の作品でも活きますからね。
だから次の作品に期待していたわけです。
そんな中で発売されたのが、本作でした。
細かくみれば、『ころげて』と力の入れどころは違うのですが、大雑把に広くみると、同系統の作品ともいえるのでしょう。
相変わらず演出は良かったですし、特に題材が天文観測ということで、持ち味も十分に発揮できていたと思います。
確かに、部活動を通した盛り上がりという点では、『ころげて』の方が上だと思います。
同系統の作品で、先に出た『ころげて』の方が盛り上がる部分は盛り上がるので、『ころげて』が好きであればあるほど、本作が『ころげて』の劣化版に見えてしまうおそれもあり、その点で好き嫌いが分かれる可能性は十分にあります。
たぶん、一般的にも、『ころげて』の方が人気はあると思いますし、『ころげて』ファンにはおすすめしにくい作品でもあります。
ただ、私のように、『ころげて』に違和感を覚えてしまったような人だと、それがなくなった分だけ本作の方が素直に楽しめるように思います。
あとは、部活動ってよりも、幼馴染という属性に反応するような人だと、より一層楽しめるように思いますね。
<評価>
総合では良作としておきます。
本作ならではの要素とか、個性とか、ややパンチに欠ける面はありますが、ほぼすべての面で水準以上ですし、安心して楽しめる良い作品だと思いますね。
まぁ、このブランドの作品に関しては、優先度としては『ころげて』が先かなと思いますので、未プレイの人は、そっちを先にプレイした方が良いです。
あとは上記のとおりで、私みたいなタイプの人は本作の方が楽しめるかもしれませんね。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-09-28 by katan