メタルスレイダーグローリー

『メタルスレイダーグローリー』は1991年にファミコン用として、HAL研究所から発売されました。

ファミコン末期の作品ということもあり、一時期はプレミアソフトの代名詞的存在でしたね。

＜概要＞

ゲームジャンルはコマンド選択式ＡＤＶになります。

あらすじ・・・
日向忠の手元に届いた1台の作業用メタルスレイダー。
忠がメタルスレイダーに乗り込むと、「地球は危機に瀕している…。このメタルスレイダーの創造主を探せ…。」
という謎のメッセージが流れてくる。
このメッセージの謎を解くために、忠はゲンの店へ向かう。

＜感想＞

ファミコン用としては異例の８Ｍという容量。
同じ年に発売されたＳＦＣ用のＦＦ４が８Ｍでしたので、それと同等の容量になります。
ファミコン用のＡＤＶとしては、間違いなく最大規模の作品だったと言えるでしょう。

ファミコンの末期の作品なうえ、上記の容量ということもあり、ファミコンのＡＤＶの中では一番画面が綺麗な作品でした。
立ち絵も動きましたし、そういった作りこみでも一番と言えるでしょう。
基本的には良質な作品でした。

でも、だからと言って即名作かというと、必ずしもそうではないと思います。
ファミコン・ＳＦＣと国民機だけを渡り歩いた人には大容量に見えますが、ＰＣＥとかはＣＤ-ＲＯＭを既に採用していましたからね。
容量の多い作品なんて幾らでもあるわけですから、容量だけで評価できるものではありません。

加えて、ファミコン用ということで描写能力にも限界がありますしね。
グラフィックにしても、確かにファミコン限定なら最高峰だと思いますが、同時期の他機種の作品も含めて考えると、それ程目立つ作品でもなかったという印象でした。

ストーリーはＳＦで、システムはコマンド選択式のＡＤＶでした。
普通には楽しめますが、特に秀でているわけでもなかったかなと思います。
まぁ、FC末期やSFC初期はADVが少なかったので、その中では相対的に目立つでしょうが、他機種のADVと比べるとそれ程でもないって感じですね。

＜評価＞

特に欠点もないし普通に楽しめるのですが、逆にこれといった特徴もないわけで、総合では良作とします。

本作については、ファミコンソフトを全部コンプしたいってな人は欲しいのでしょうが、そうでない人にはプレミアの価値はないんじゃないかと思います。
ファミコンでもここまで出来るって意味では集大成的にも思えますが、発売時期が遅かったこともあり、少なくとも私は、あまりそういう風に捉えることができませんでした。
良くも悪くも「ファミコンの中では」と限定をつけざるを得ないわけで、もう少し早く出してくれたらと思うと、勿体無いゲームでしたね。

ランク：Ｂ－（良作）