まさか!下宿生が 美女ですって?

2025

『まさか!下宿生が 美女ですって?』は2024年にSteam用として、Storytacoから発売されました。

韓国産の恋愛系のFMVということで注目した作品であり、新鮮な雰囲気で楽しめた作品でしたね。

<概要>

ゲームジャンルはフルモーションビデオ系のADVになります。
ひと昔前であれば、インタラクティブムービーと言われたタイプですね。

あらすじ・・・
「下宿生募集!」ある日突然、下宿を運営することになった主人公のウユマン。
しかし、いつも一人でいた家と日常に、突然美貌の5人の女性が侵入して来た!
「20年来の女友達」、「初恋のアイドル」、「厳しい職場の上司」、「大胆な年下ガール」、「かわいい引きこもり」それぞれ異なる魅力を持つのヒロイン中からあなたは誰を選ぶ?

<感想>

本作は、5人の女性との恋愛系作品になります。
複数の女性と一緒に生活をするというシチュエーションは、ノベルゲームでは少なからず存在します。
そのため、設定自体は珍しいものとはいえないでしょうし、エロゲ好きならむしろ馴染みのある設定とすらいえるでしょう。

他方で本作は、近年ではFMVと言われるタイプの作品になります。
つまり、全編音声付きの実写動画であり、選択肢により物語が分岐するということで、ゲームジャンル的にはノベルゲームとも言えます。
昔はインタラクティブムービーと呼ばれていたこのジャンルは、一時期は絶滅しかけていましたが、Steamの発展とともに、また増えてきたジャンルでもあります。

ここを訪れる方はご存知かと思いますが、私は昔から実写ゲーが好きでして。
実写ゲーが好きすぎて、海外の作品にまで手を出していたくらいです。
だからまぁ、実写ゲーは好きという感情はありつつも、だからこそ新鮮と感じることも少なかったりします。

ところで、今のADV、ノベルゲー市場と異なり、昔は王道ADVといえば推理系という時代がありました。
あとはSFでしょうね。
だから昔の実写ゲーというと、何かしら事件が発生するものであったり、SFであったりしたわけです。
つまり、純粋な恋愛だけの実写ゲー、しかもそれで一定の面白さの水準を保った作品となると、皆無に近かったといえるでしょう。
だからこそ、純粋な恋愛系作品のFMVというのは、実は歴史的にはかなり後発のジャンルでもあり、まだまだ未開拓のジャンルともいえるのです。

そんな恋愛系FMV作品の市場において、2024年というのは、分岐点ともなる年だったのではないでしょうか。
例えば、国内の恋愛ゲーについて、1995年は恋愛ゲー元年とされています。
誤解してほしくないのは、1995年より前にも恋愛ゲームは存在しており、何も95年に初めて登場したわけではないということです。
存在しているどころか、95年より前の作品で、私が傑作評価をした恋愛ゲームもありますからね。
だから恋愛ゲームが登場したという意味で元年と言いだす人がいれば、それは明らかに間違っているといえます。
ただ、1995年よりも前にも恋愛ゲームは存在するけれど、PC98では金字塔たる『同級生2』が発売され、それ以降、恋愛系作品が急激に増えだし、アダルトゲームの主流がかわっていったことは事実です。
他方で、家庭用ゲーム機ではPSに『ときめきメモリアル』が移植され、恋愛ゲームという存在が、一般層に浸透していきました。
そうした一連の流れからすると、1995年を恋愛ゲーム元年とするのは、とても説得力のある話なのでしょう。
そして、2次元の恋愛ゲーム市場における1995年に該当するのが、恋愛系FMV市場では、2024年なのだと思います。

2024年よりも前から恋愛系FMVは存在したでしょうが、この年に、急に楽しめるレベルの作品がいろいろ増えたように思います。
そしてその中でも、最も印象的だったのが本作でした。

正直なところ、ストーリー自体は、普通の域を出ていないように思います。
これが2次元のノベルゲーであれば、決して高い評価にはならなかったでしょう。
しかし、全編実写動画というのは、ノベルゲーよりも動きが多いことから、破壊力が増します。
それと、私の場合、昔から新鮮さや独自性を好む傾向があります。
私は、韓流作品とかも普段は全然好きでも何でもありません。
ただ、恋愛系FMVという未開のジャンルに、さらに馴染みの薄い韓国テイストが混ざることで、これ以上ないくらいのB級感が漂い、それが他の作品にはない、本作ならではの独自性と新鮮さとして映ったのです。
もちろん、韓国発の恋愛系FMVであれば何でも良いというわけではありません。
ゲームとして基本的な作りがしっかりしていることがベースにあったうえで、そこにヒロインやサウンドが気に入ったということも加わったからこその好印象といえるでしょう。

<評価>

未開のジャンルというのは、後発として優れた作品が出てくると、初期の作品は次第に忘れられがちです。
しかし、初期の優れた作品があったからこそ、それに続く後発作品も出てこれたとも言えるでしょう。
実際、翌2025年には、FMVの幅は更に広がり進化していますが、それも2024年の作品らのヒットがあったからこそと言えるように思います。

そういう意味も含めて、2024年を象徴する1本として、本作も総合で名作としたいと思います。

ランク:A-(名作)

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