『魔女っ子クミ』は1991年にPC98用として、ファミリーソフトから発売されました。
いわゆる魔法少女もの、ないし変身ヒロインものになりますね。
<概要>
魔法少女ものとか、変身ヒロインものと呼ばれるジャンル。
私も決して嫌いではないので、ちょくちょく見ているのですが、かと言って特別に好きなジャンルでもないので、正確な言い方とか細かい区別が分からないところもあるかもしれません。
大雑把にそういうジャンルの作品だと思ってください。
ファミリーソフトは、ガンダムとか一般向けのPCゲーも多数作っていたのですが、他方で『韋駄天いかせ男』のような珍妙なアダルトゲームも作っており、名前に反して中々に癖のあるブランドでした。
そのファミリーソフトが、韋駄天いかせ男シリーズの後に作ったアダルトゲームが、マジカル・ストーリィ・シリーズの第一弾である、この『魔女っ子クミ』でした。
魔法少女ないし変身ヒロインものというのは、結構不思議なジャンルでして。
いつの時代も数こそ決して多くないものの、アダルトゲーム市場でも絶えずどこかしらが作り続けた印象があります。
詳しいジャンルでもないので元祖が何かはとっさに出てきませんが、90年代前半のこのジャンルの作品となると、やっぱりマジカル・ストーリィ・シリーズになるのかなと。
まぁシリーズと言っても2作品しか出ていませんが、それだけに一作目の本作が目立つのかなと思います。
<ストーリー>
主人公は、平凡な女子高生の早坂久美。
学校帰りに拾った光の玉から「ポップ」という名の変な生き物が出てきます。
ポップは魔法の国から来た見習いの魔法使いであり、一人前になるには最初に出会った人間に手伝ってもらいながら、5人の女性の悩みを解決しなければならないのです。
そこでプレイヤーは主人公の久美となり、ポップの手伝い、即ち5人の女性の悩みを解決することになります。
悩みと言っても、結局は恋愛問題なわけでして。
対象となる女性と、その想い人とを結ばせられれば良いわけです。
普通のアニメなら両者をくっつけるために奔走するのですが、そこはアダルトゲームの怖いところ。
本作は主人公が特定の誰かに変身できるタイプで、例えば『姫ちゃんのリボン』とかの系統になります。
そして、主人公がヒロインの想い人に変身して、関係を持ってしまうのです。
ヒロインの想い人が男性とも限らないので、場合によりレズとかにもなりますが、基本的には他のアダルトゲーと変わらないように思います。
それ以前の問題として、主人公がヒロインと関係を持っても、抜本的解決と言えないと思うのですけどね・・・
ストーリーに関してはエロを見るための道具と、完全に割り切ってしまった方が良いかもしれません。
ぶっちゃけ、あまり期待するなと。
<感想>
その代わり、グラフィックの質は非常に高かったですね。
原画が当時人気の麻宮騎亜さんの絵柄に似ていることもあり、中にはかなりツボに来る人もいたと思います。
それに加えて、変身シーンを始めとしてアニメーションもレベルが高く、グラフィック関連は非常に良かったと思います。
ジャンルはコマンド選択式のADVで、Hシーンだけ画面クリック式でした。
ストーリーは一応は一本の大きな流れとも言えるのですが、一話につき一人のヒロインを順次クリアしていきますので、5人の女性の物語を集めたオムニバスに近いとも言えるでしょう。
<評価>
ストーリーやゲーム部分に特徴はないのですが、とにかくグラフィックが良かったので、属性が合えば楽しめる可能性はあるのかなと。
とりあえず、この時期にこういう魔法少女ものがあったということで、今となっては資料的価値の方が大きい作品かもしれませんね。
ランク:C(佳作)
Last Updated on 2024-08-22 by katan
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