『LAST CHILD ~14th Nervous Breakdown~』は1998年にWIN用として、PILから発売されました。
SがあるならM向けがあっても良いということで、M向けの調教ゲームでした。
<概要>
主人公はある日、秘密クラブの会員証をもらいます。
それは14歳のロリな女の子ら4人が経営する、SMクラブだったのです。
というわけで、内容はロリ+SM調教もの。
ゲームジャンルはパッと見はSLGに近いのですが、実質的にはADVのなるのでしょう。
<感想>
進行は4人のキャラの中から一人を選び、その女の子とのプレイを堪能します。
以後はそれを繰り返すだけ。
ストーリーというストーリーはほとんどなく、あくまでもエロ中心です。
抜きゲーに余計なストーリーなど邪魔と言わんばかりに、実に潔い作りになっています。
キャラはSが2人に、Mが2人います。
当時はプレイヤーがヒロインを調教するものが中心でしたので、本作の需要としてはMなヒロインの方があるのかもしれません。
しかし、ヒロインを調教するゲームは他にも一杯ありますし、PIL自身も金字塔の『SEEK』を作っていますので、それらと比べると印象が薄くなってしまいます。
むしろ本作で注目すべきなのは、Sなヒロインなのでしょう。
最近はSなヒロインに攻められるというマゾ向けのゲームも増えていますが、当時は年に数本あるかないかでしたので、非常に貴重でした。
しかもなんちゃってSMではなく、SMの専門ブランドたるPILが作っているだけに、自身がMでなくてもMに目覚めてしまいそうになります。
先ほどストーリーらしきストーリーはないと書きましたが、何かメインのストーリーがあって、その中にMシチュを入れられるよりも、行為だけを積み重ねる方がMの魅力を伝えやすいとも言えるわけで、そういう意味では良くできていたように思います。
ましてや、その行為をするのがロリっ子なわけですから、刺さる人には最高にもなりうるでしょう。
<ゲームデザイン>
プレイヤーが調教、或いは調教されることの繰り返しですので、ストーリーの構造的にはSLG的な作り方になっているのでしょう。
またパラメーターも少数ながらありますので、簡易的なSLGと捉えることもできるかもしれません。
しかし、かなり簡略化されていますので、PILのファンが満足できるSLGになっているとはとても言えません。
数値の変動を楽しむのではなく、あくまでもシーンを見るのが中心であり、コマンド選択の制約であるとか、イベントの進行度をを可視化するための数値ということで、基本的には調教ADVと捉えた方が良いのではないでしょうか。
<音声>
本作にはHSSシステムがあり、これは恥ずかしいセリフをしゃべらせるという内容のものでした。
卑語・淫語にも普通に音声がついている今の時代では、その良さがすぐには分からないかもしれません。
しかし、本作が発売されたころは、まだ音声が標準化されていない時期でしたからね。
windowsの時代になって、ゲームシステムなど幾つかの面で退化したため、windows化することのメリットを見出せないユーザーもいたわけでして。
そういうユーザーにwindowsの可能性を示す手っ取り早い方法が、エロボイスの存在だったのです。
テキストだけでなく音声が付く事で更に増してくる魅力ということで、そういう方面の先駆け的作品の1つとも言えるかもしれませんね。
<評価>
ロリ+マゾ向けということで、当時、他にはない特徴を持った本作。
これは、刺さる人には刺さるでしょう。
長所だけなら名作級なのですが、ストーリーやゲームシステムがあっさりしていることもあり、総合では良作にとどめておきます。
もっとも、人によっては最高にもなりうる可能性を秘めた作品であり、名作と言う人がいても何ら不思議でない魅力を有した作品でした。
ランク:B(良作)
Last Updated on 2024-12-30 by katan