『ブルーヒート ~背徳の天使達~』は、1997年にWIN用として東芝EMIから発売されました。
同年に発売された『Blue Heat :The Case of the Cover Girl Murders』の移植版になります。
<感想>
時には英語のゲームもやったりしますが、必ずしも得意ってわけでもありません。
いつも、辞書と睨めっこだったりします。
面白いゲームはそれでも楽しめるのですが、やっぱり続けて遊ぶと疲れてしまうわけでして。
出来ることなら日本語で遊べるのが一番なんですよね。
さて、誰しも好きなタイプのゲームや、遊んでみたいゲームってのがあるはずですが、希望の条件を絞っていくと意外とそんなゲームってないものです。
それである時、ふと考えたんですね。
1)まずは日本語のゲームがやりたい。
2)システムはADV。中でも私の好きなP&Cタイプがやりたい。
3)豪華に実写やムービーがふんだんに使用されているゲームがやりたい。
4)3とも関連しますが、そのグラフィックは360度グルリと見渡せる。
ここは特に最重要項目でした。
5)当然ながら音声付き(声のない実写ゲーなんて論外です)。
6)推理物が好きなので、出来ればストーリーは推理物で。
7)もちろん、面白さは水準以上であること。
その当時、私がやりたかった条件ばかり並べたわけですが、それぞれの要素はいろんなゲームで見かけることができます。
では、全部を満たしたADVって一体どれだけあるのでしょうか?
これを読んでいる人、咄嗟に何か思い浮かびますか?
そう考えると、これがまた全然出てこないのです。
私が思い浮かべることができたのは、僅かに1本だけ。
それが、この『ブルーヒート』なんですね。
97年というのはWIN用のADVが一杯移植されていました。
どこに比重を置くかで、面白いか否かの判断も分かれるでしょう。
ただ、もし私と好みが一緒の人がいたならば、これは外せない一本なのではないでしょうか。
というわけで、条件を満たしたゲームなので書くまでもない気もしますが、一応書いておくと、ゲームシステムはポイント&クリック式のADVです。
このタイプとしては、ゲーム部分の出来自体は普通ってとこでしょうか。
もっとも、本作では、ゲーム中に進化したPDAが登場します。
進化した近未来的な設定なので、PDAも今のスマホのように便利になっています。
そのPDAを用いて情報を得たり捜査を進行させますので、その点が従来の推理ADVにはない、新しいところとも言えるでしょう。
ストーリーは推理ものになります。
ストーリーだけだと面白くはあるのですが、良くも悪くも普通の域を出ないでしょう。
ただ、結構アダルトなシーンがありまして。
というか、内容的にむしろエロばかりです。
あちこちに、お姉ちゃんの裸の絵とかありますし、ストリップ劇場に行くこともあるのですが、当然ながらストリップシーンが実写ムービーで流れたりしますし。
それで、ついつい没頭してプレイしてしまうことも。
国内ではどうだったか忘れましたが、海外では年齢制限されていましたからね。
実写のアダルトなゲームで中身も伴うとなると、ほとんど皆無に近いですからね。
そういう意味では設定的にも新鮮だったし、案外熱中して楽しめるのではないかと思います。
グラフィックは360度パノラマ映像の実写になります。
記憶があやふやではありますが、確か水平360度だったと思います。
いつものようにゲーム画面を掲載していますが、この画面で360度グルリと見渡せるのです。
これはプレイをする上での臨場感が全然違ってくるし、見ごたえがありましたね。
また、上記のように国内では年齢制限はなかったように思いますが、最低でも15禁くらいにはしておくべきというグラフィックも多かったですね。
こういう過激な映像は個人的にはプラス評価でした。
そもそも、上記のとおり裸の女性が何度も出てきているけれど、こういうのって18禁にしなくて良いのかな?
少なくともゲーム機の18歳以上推奨作品より、よっぽど過激でしょうに。
国内の基準もイマイチよく分かんないですね。
<評価>
総合でも名作といえるでしょう。
このような作品は国内では皆無に近いですからね。
海外ではP&C式の推理ゲームは多くもないけど、決して少なくもありません。
そのため、本作に対する私の評価は、若干甘めとも言えるかもしれないですね。
ただ、日本語で遊べるADVで360度グルリと見渡せるゲームで、ストーリーもある程度面白いゲームとなるとね、本作以前には何もなかったかと思います。
そういう意味では凄く貴重な作品として高く評価されても良いと思うし、今でもその価値は全く失われていないとも思うのです。
何せ替えが全く利かないのですから。
当時も相当悩んだんですけどね、私としてはギリギリA扱いで良いかなって思います。
ランク:A(名作)
Last Updated on 2024-12-08 by katan
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