鍵穴殺人事件

1983

『鍵穴殺人事件』は1983年にPC88用として、シンキングラビットから発売されました。

シンキングラビットの最初のADVであり、同時に同社を代表する推理ADVでしたね。

<概要>

ゲームジャンルはコマンド入力式のADVになります。

あらすじ・・・
ロンドン郊外のギルズ・ウィルコック氏の屋敷に、ロンドン警視庁のケン・ウィンストンこと私が派遣された。
ウィルコック氏が殺人予告を受けたためで、私は主人の部屋の前で午前0時が来るのを待っていた。
予告時間きっかりに一発の銃声が響いた。
主人の部屋は完全な密室で、鍵穴から覗いた私の目には、主人が倒れているのが見えた。
犯人は屋敷の中にいます。
はたしてあなたはこの事件を解決することが出来るでしょうか。

<感想>

本作は、80年代前半の最初期の頃の作品になります。
当時のADVの主流は、コマンド入力式でした。
コマンド入力式の場合、理論上は、コマンドの数は無限にあります。
この当時のADVにおいては、様々に入力されるコマンドに対し、どれだけ対応できるかが肝であり、それがコマンド入力式ADVにおける狭義のゲーム性といえるのでしょう。
そして、本作をはじめとしたシンキングラビットの作品の場合、こちらが入力したコマンドに対する返答の多彩さが特徴であり、狭義のゲーム性に秀でていたのです。

ところで、RPGが中世ヨーロッパ風である必要はないように、ADVが推理ものである必要はありません。
実際、国外の初期のADVはファンタジーやSFが多かったですし。
それなのに、国内の初期の名作ADVは推理作品が多いように思います。
まぁ、それだけ数も多く作られたんでしょうけどね。
じゃあ、なんでそんなに多く作られたのか・・・
それを考え出すと結局行き着くところは、83年の『ポートピア連続殺人事件』と『鍵穴殺人事件』になるのではないでしょうか。

『倉庫番』とかでも有名なシンキングラビットは、PC88初期には良作なADVも複数出していました。
実際、結構根強いファンも多かったですよね。
そのシンキングラビットの最初のADVが、『鍵穴殺人事件』だったのです。
こうした名作があったからこそ、多くの推理ADVが作られていったんでしょうね。

<評価>

総合では名作と言えるでしょう。

もっとも、私の場合、完成度の高さよりも独自性の高さを優先する傾向があります。
そのため、独自性というより完成度の高さが特徴となりやすいシンキングラビット作品については、その評価は辛めになってるかもしれません。
したがって、私の評価は低くみてもこれくらいということで、完成度の高さを重視する人であれば、もっと高くなると考えた方が良いと思いますね。

ランク:A(名作)

Last Updated on 2024-05-05 by katan

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