『HUSHABY BABY』は1999年にWIN用として、アリスソフトから発売されました。
ユーザークラブ専用作品であり、標準語と関西弁の中から選べることが特徴的な作品でした。
<概要>
本作はアリスソフトの、ユーザークラブ専用の作品になります。
商品紹介は以下の通り。
--日羽(ひわ)。
大学の1年後輩で、去年から付き合いだした俺の彼女。
2年目の夏休みがくる前に、彼女は事故で死んでしまった。
なんだか信じられないまま休みも終わり、もうすぐ四十九日がやってくる。
そこへ、当の彼女が現れた!
「あたし…もうすぐ地上とお別れやん。その前に、死ぬほどやり倒そ!」
<ゲームデザイン>
基本的には普通のADVなのですが、一点だけ特徴がありまして。
それが本作の最大のウリでもある、国内バイリンガルです。
具体的には、使用される言語を標準語と関西弁のどちらかから選べるのです。
使用される言語を選択できるゲームとしては、以前にも、例えば『G.R.(グラヴィティ・レスポンス)』(1993)があります。
もっとも『G.R.』はオムニバス作品であり、言語が選択できるのは、その中の1つのシナリオだけです。
したがって、「単一の作品で標準語・関西弁選択システムがある作品」は、おそらく本作が最初なのではないかなと思います。
<ストーリー>
ライターが勢いのあった頃のふみゃさんなので、テキストは良好です。
キャラも良かったですしね。
また、ラストとかもジーンときて良いのですが、基本的にHするばかりであり、ストーリーらしきストーリーはありません。
アリスだからきっと何かあるに違いないと期待していたら、そのまま普通に終わってしまいました。
悪くはないのだけれど、分量的に物足りない感じは否めないのかなと思います。
<評価>
低価格の作品であったことを考慮しても、それでもやっぱりボリューム不足とコスパの悪さが目立ってしまい、当時は物足りなさが先だったことから、一応は凡作としておきます。
もっとも、雰囲気自体はわりと好きだったし、良かったように思います。
ただボリューム不足で、個人的には元を取ったように思えなかっただけで。
そもそも私の場合は、ウリである関西弁使用があまりプラスに作用しなかったわけでして。
単にアリスのユーザークラブ専用ということで、それでこれは買わねばと反射的に購入しただけですから。
だから国内バイリンガルに大きな価値を見出せる人なら楽しめる確率は高まるでしょうし、十分元も取れると思います。
あくまでも当時のアリス作品の雰囲気が好きであり、なおかつ国内バイリンガルに価値を見いだせる人専用ということで、ある意味では最初から限られたユーザー層だけを意識した、とてもユーザークラブ専用らしい作品だったのでしょうね。
ランク:D(凡作)
Last Updated on 2025-01-15 by katan
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